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理学療法士園部俊晴のブログ

入谷式インソール(入谷式足底板)

入谷式インソール(入谷式足底板)は、故、入谷誠が考案したもので、従来の足形を合わせるインソール療法の手法とは全く異なり、姿勢や動作を足からの遠隔操作によってコントロールする概念で作製されます。症状の根本原因を捉えそれを改善させていくという、まさに理学療法の本質を貫いた手技の一つです。

現在、入谷式インソールの考え方として最も根本となる考え方を次の一文で表すことができます。

それは、
入谷式インソールは、足から身体の姿勢や動作を変化させることにより、
身体各関節のメカニカルストレスを減少させ、
より効率的な身体動作を誘導するものである。

下記に入谷式インソールをできるだけ分かりやすくお伝えするための簡潔な映像を作製しました。入谷式インソールの概要や作製の流れをご理解頂けると思います。下記の動画を是非ご覧ください。
https://youtu.be/MmDV5Uh9P_s

下記は、入谷誠先生が「入谷式インソールの概要」をまとめたものです。参考にして頂けると幸いです。またもう少し詳細を知りたい方は、入谷誠執筆の「入谷式足底板」をご参照ください。

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1.インソール療法とは

人間の主たる移動様式は二足直立歩行であり、唯一地面に接しているのが足部である。床からの反力は、地面から靴-中敷き-足へと伝達される。このため、靴や中敷きが変化することによって、地面から人間の足への伝達の仕方が変化することになる。このように考えると靴や中敷きがいかに重要であるかが容易に想像できる。
インソール療法とは、この中敷きに凹凸を付け、人間の土台となる足の肢位や使い方に変化を与えるものである。靴の歴史が長いヨーロッパ諸国などでは、かなり古くから使用され発展してきた経緯がある。

2.入谷式インソールとは

下肢の障害の多くは小さなメカニカルストレスの繰り返しにより発生し、これが疼痛などの症状を引き起こす原因となっている(図1)。

よって、このメカニカルストレスを減じなければ、治療により良好な結果を得ることは決してできない。唯一地面に接する足部は、その変化が身体重心、足圧中心、床反力ベクトルなどを変化させるため、身体の姿勢や動作に影響を及ぼす。
こうしたことから、入谷はこのメカニカルストレスを変化させるために、足部操作を臨床応用するようになった。また、多くの症例において足部操作を臨床応用する中で、足から身体の姿勢や動作が明確に変化することや、どのように変化するのかという法則性も分かるようになっていった。そして、この法則性をもとに、障害局所のメカニカルストレスを考察し、これを減じることで、疼痛等の症状が明確に改善していくことが分かった。
このような経緯で、ひたすら臨床と向き合っていく中で入谷式インソールの概念や理論は確立されていった(図2)。

現在、入谷式インソールの考え方として最も根本となる考え方を次の一文で表すことができる。

それは、

入谷式インソールは、足から身体の姿勢や動作を変化させることにより、
身体各関節のメカニカルストレスを減少させ、
より効率的な身体動作を誘導するものである。

すなわち、入谷式インソールは単なる対処療法的な治療の範疇に留まらず、症状の根本原因を捉えそれを改善させていくという、まさに理学療法の本質を貫いた手技の一つであると考えている。

下記に入谷式インソールをできるだけ分かりやすくお伝えするための簡潔な映像を作製しました。入谷式インソールの概要や作製の流れをご理解頂けると思います。下記の動画を是非ご覧ください。
https://youtu.be/MmDV5Uh9P_s

 

3.入谷式インソールの作製における特徴

入谷式インソールでは、前述のような考え方を臨床応用しているため、従来の足のみを診て作製するインソール療法とは、その作製過程や方法も全く異なる。入谷式インソールは、単に足を採型したり、また既成のパッドを貼付したりするものではない。病態診断を基に、症例の症状を身体機能の観点から捉え作製していくことに特徴がある。
入谷式インソールの作製過程や方法の大きな特徴として、以下の3つを挙げることができる。

1.テーピングやパッドを用いた評価(インソール作製のための直接的評価)により、足部関節肢位および高さを決定してから作製する

2.インソール作製や作製後の微調整は歩行動作を中心としたさまざまな動作を確認しながら行う

3.身体全体の動きを制御することを目的としているために、両側へ作製することを基本とする

4.入谷式インソールの臨床応用

入谷式インソールでは、足から身体の姿勢や動作を誘導することを目的としているため、幅広く臨床応用することができる。入谷式インソールが臨床において、どんなことに利用できるのかをここで紹介しておきたい。

1.障害に対する臨床応用
2. 運動連鎖を利用した臨床応用
3.姿勢制御に対する臨床応用
4.個々の足部機能の発揮させるための臨床応用
5.さまざまな運動特性を改善させるための臨床応用
6.靴の補正としての臨床応用

1.障害に対する臨床応用

入谷式インソールでは身体の姿勢や動作を誘導することで、足から障害局所のメカニカルストレスを軽減させることができる。このため、障害に対する治療手技として幅広く臨床応用することができる。

2.運動連鎖を利用した臨床応用

入谷式インソールでは運動連鎖を利用して、足部からの遠隔操作によって身体各分節をコントロールすることができる。このことによって、足部以外の身体各部位の肢位、関節運動、関節モーメントなどをコントロールすることができる。このため、膝関節、股関節、ひいては体幹などの障害にも幅広く臨床応用することができるのである。

3.姿勢制御に対する臨床応用

入谷式インソールは両側に作製することを基本としている。このことにより、両側から身体重心、足圧中心、床反力ベクトルなどをコントロールすることができる。これにより、静的および動的な姿勢を効率よく制御することができる。

4.足の機能を発揮させるための臨床応用

インソール療法は足に直接作用するため、足部形態を是正し、足の機能をより効率よく発揮させることができる。さらに、足部疾患(扁平足、外反母趾、ハンマー趾など)に対する入谷式インソールは単なる足部矯正の範疇に留まらない。直接的評価により足部の各関節をどのように誘導するかを詳細に決定する。このため、足部形態の改善を身体動作の改善に繋げることができる。

5.さまざまな運動特性を改善させるための臨床応用

入谷式インソールでは障害の治療だけでなく、様々な運動特性に対する応用が可能である。このため、麻痺性歩行やスポーツ動作の改善などに対しても幅広く応用することができる。特に、スポーツの分野では競技やポジションによって特有の運動特性があり、各々の運動特性に応じて姿勢や動作を誘導することができる。こうしたことから、スポーツパフォーマンス向上を目的に著者を訪れる選手も多い。

6.靴の補正としての臨床応用

従来のインソール療法は足のみを診て作製しているが、靴の構造によりインソール療法に違いが生じるのは当然のことである。身体の姿勢や動作を見る視点があれば、靴の構造によって姿勢や動作も違ってくることが分かる。入谷式インソールでは靴ごとの特徴や欠点が身体の姿勢や動作に及ぼす影響を捉え、これを補正する役割もしている。このため、基本的にはどのタイプの靴にも作製することが可能である。

下記に映像の後半には症例も提示しています。是非ご覧ください。
https://youtu.be/MmDV5Uh9P_s

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