関節軸と軟部組織の位置関係について
今回は、「関節軸と軟部組織の位置関係」について、お伝えしたいと思います。
皆さんは普段の臨床で、関節軸と軟部組織の位置関係を意識していますか?
関節軸と軟部組織の位置関係について本当の意味で理解することは非常に重要です。
このことを、股関節を例に解説したいと思います。
右の図を見てください。
矢状面で考えると、股関節軸に対して前方に位置している筋はすべて屈曲に作用し、後方に位置している筋は伸展に作用します。
加えて、その作用は股関節軸から離れれば離れるほどレバーアームが大きくなることから大きな力を生み出します。
例えば、この右の図を見ると、大腿直筋や大殿筋はレバーアームが大きく、屈曲・伸展に対する作用が大きいと分かります。
一方、中殿筋(後部)や小殿筋(前部)は、前額面でレバーアームは大きいですが、矢状面ではレバーアームが小さいことから、屈曲・伸展に対する作用はそれほど大きくないことが分かります。
これはイメージしやすいと思います。
ただし、ここで大切なこととして、関節の角度が変わるとこの作用が変化することを知っておかなければなりません。
このことを理解するために下の図を見てください。
例えば、ハムストリングスは股関節伸展筋として知られていますが、伸展位では起始部である坐骨結節が股関節軸に近づくため、伸展作用はほとんどなくなってしまいます。
また、長内転筋は、通常は内転以外に屈曲の作用もありますが、70度以上の屈曲位になると伸展作用に変わりその作用が逆転します。
このように、関節の角度が変わることで作用が逆転するようなことはたくさんあるんです。
このことが分かると、その可動域制限は何筋によるものなのか、その筋を緩ませるにはどのように運動したらよいのかなど・・・
見えてくることがたくさんありませんか?
○筋は○○という作用があると覚えるのではなく、どの角度の時にどういうレバーアームになっているのかを知っておくことが大事だと思います。
皆さんもぜひそういった視点で関節軸と軟部組織の位置関係について学んでみてください。
たくさんの発見があると思いますよ\(^o^)/
最後に映像でもお伝えしていますので、下記の映像も御覧ください。
いつも最後までご覧いただきありがとうございます。
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概要
変形性疾患や外傷後に跛行を生じる例は多く、その原因は身体構造上の問題、疼痛の問題、神経の問題、筋の問題、血行の問題など様々である。
跛行は歩行エネルギーの非効率化や二次性疼痛発生、隣接関節等への負担増加などを引き起こすため、歩行能力向上のためには跛行の改善が必要である。
本研修では整形外科疾患の症例(主に術後の症例になります)を通して、跛行の特徴や観察すべきポイント、問題点の抽出とそれを改善するための運動療法を学んでいきたいと思います。
【セミナー内容】
1.跛行を引き起こす原因とその影響について
2.各整形外科疾患で生じることが多い跛行と観察すべきポイントについて
3.跛行を引き起こす原因とそれに対する運動療法について
【到達目標】
1.各整形外科疾患で生じる跛行の特徴を理解すること 2.跛行を引き起こす原因とそれに対する運動療法を理解すること
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LIVEセミナー/ZOOM【中村尚人先生】比較解剖学の視点、アフォーダンス理論について
◆講 師:中村尚人先生
◆開催日:2023年10月29日(日) 10:00~13:00
概要
私たちの体は長い進化の中で形作られました。
医学教育の中で、解剖学を通して体の特徴を学びますが、なぜ今の形状になっているのかの意義について学ぶ機会はありません。
比較解剖学は、ヒトとそれ以外の動物との骨格などを比較することで、ヒトの特徴やその形状の意義を導き出してくれます。
アフォーダンス理論は1950年代に認知心理学者のギブソンによって提唱された概念で、環境などの外の刺激が人間の行動を決定しているという主客反転のユニークな視点を持っています。進化から考えると、今存在している生物は環境適応で選択されたものですから、環境の要因が主であるというのも頷けます。
【セミナー内容】
類人猿を中心とした人類との比較解剖学から、ヒトの機能や骨格的な特徴を見ていきます。アフォーダンスに関しては、社会の環境や自宅の環境が身体に及ぼす影響を見ていきたいと思います。
【到達目標】
・比較解剖学に基づいたヒトの機能の優先順位を理解する。
・ヒトとはどのような動物なのかを理解する。
・アフォーダンス理論から環境が身体に与える影響を理解する。
・患者さんの背景として環境を確認する必要性を理解する。
・問診として何を確認するかを学ぶ。
応募はこちらから
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https://seminar.ugoitalab.com/event/20231029z/
会員無料LIVEイベント/ZOOM【土屋元明先生】デイサービス・訪問リハビリの若手セラピストに伝えたい現場で活かす臨床思考と介入のクリニカルヒント
◆講 師:土屋元明先生
◆開催日:2023年11月4日(土) 19:00~20:30
概要
<セミナー内容>
デイサービスや訪問リハビリの現場で働くセラピストの悩みは、病院やクリニックで働くセラピストとは少し違います。
例えば…
・介護保険の現場は、対象者の情報をすぐに得ることが難しく、疾患も多岐に渡るため、どう介入して良いか悩む。
・認知機能や意欲の問題もあって、運動機会や頻度を増やすことができず介入方法に困っても、相談できる相手がいない。
・研修制度やそのシステム効率が悪く、効果的に学ぶことができない。
といった悩みが挙げられます。こうした悩みによって、自分が本当に成長できているか不安になっていませんか?
そして、「様々な手法で介入」していたはずなのに、いつの間にか「ルーチン化」になっていませんか?
ルーチン化することは大切ですし、効率も高まるのですが、それで本当に良いのでしょうか?
そこで今回、デイサービス・訪問リハビリの立ち上げから、現場指導までこなしている元明先輩から、こうした悩みを解決するためのクリニカルヒントについて講演をしていただきます。元明先輩がどういった思考過程でサービスを提供し、スタッフと働いているのかを知ったり、具体的にどう介入しているのかを知ったりすることで、悩みを解決するヒントを得て下さい。
〜元明先輩より〜
皆さんが抱えている悩みは、私も抱えていたり、現在も抱えている内容が多いと思います。
大切なのはこうした悩みに対して、他のセラピストはどうしているかを知り、自分ならどうするかを考えることだと思います。
だからこそ、今回の講演のテーマは「KPO」です!!
KPOとは、勝手にパクってオリジナルの略です。
デイサービスの立ち上げや訪問リハの立ち上げ依頼を受け、介護保険下のセラピスト指導を行ってきた私の考えを聞いて、良いと思ったものは勝手にパクってください。
そして、実践しながら自分のオリジナルにしてください。
皆様にお会いできること、楽しみにしております。
応募はこちらから
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https://seminar.ugoitalab.com/event/20231104e/
その他の園部企画の講演・セミナー
※新型コロナウイルスの影響により、現在会場セミナーは中止しております。
Zoomセミナーは詳細が決まり次第、掲載していきます。
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