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理学療法士園部俊晴のブログ

瘢痕化、線維化の改善テクニック

今回は、瘢痕化、線維化した組織の改善方法について紹介したいと思います。

 

組織の修復時には、線維芽細胞による膠原線維(コラーゲン)が産生され、損傷組織周辺に線維化を伴います1)〜3) 。

加えて、修復の際には毛細血管が浸潤してきて、そこには一緒に神経も入り込んできます(下図)。

この修復の際、線維化によって瘢痕化が生じます。

こうした線維化、瘢痕化した組織は、通常は時間の経過とともに元に近い状態に回復していきますが、損傷の大きさや種類によっては、長期間に渡って残存することがあります。

 

 

神経が豊富に入り込んできた部位が瘢痕化すると、神経の滑走性が悪くなるわけですから、負荷を分散できなくなり、弱い刺激でも痛みが生じやすい状態になります。

よく瘢痕化した組織を指で圧すると、強い圧痛を伴うことがありますが、このような原理で圧痛が生じるようになると思われます(下図)。

このため、瘢痕化・線維化した組織に伸張負荷が加われば、閾値の低いところが引っ張られるわけですから生理的な伸張負荷が加わるだけでも痛みが生じるようになります。

 

 

では、瘢痕化など組織が線維化したことで、伸張痛を有しているケースに対して、臨床の現場で私たちは、どのように考えたら良いのでしょうか。

 

まず初めに改善のための糸口を考えてみましょう。

私たちセラピストができる方法として、最も一般的な方法は”ほぐす”ということです。

 

単純に揉むということも考えられますが、私は瘢痕化した部位を移動させる操作を行います。このことを理解するために下図を見てください。

下図のように瘢痕化した組織があった場合、左右から短軸で移動させる操作を行います。

この操作を加えることで、内側と外側の両方から圧縮を加えることができます。

また移動させることで瘢痕化した線維が内側と外側の両方向から変形させられることになります。

圧縮しながら内外側から変形を繰り返すことで、瘢痕化した線維がほぐれていくと考えられます。

このことによって瘢痕化した部位を柔らかくし、破壊→吸収→新生の速度を早められると私は考えています。

 

分かりやすい例を挙げると、コーヒーの中に角砂糖を入れてそのままにしていても溶ける速度は遅いです。

しかし、砕くと溶ける速度が速くなります。これと同じように瘢痕化した組織へ圧縮と変形を繰り返し行い、線維がほぐれていけばその吸収と新生も早まると考えられます。

 

したがって、短軸で瘢痕化した組織を移動させる操作は臨床で効果を発揮するテクニックとして活用できます。

さらに、”ほぐす”ための施術を行ったら、筋に収縮や伸張を加えることでさらに瘢痕部の改善を促進することができるでしょう。

 

 

どうですか?

上記は、「瘢痕化、線維化の改善テクニック」のほんの一部ではありますが、

こうした知識があるのとないのでは、我々の臨床が大きく変わってくるということをわかっていただけるのではないでしょうか。

 

こうした例のように、私たちは学べば学ぶほどテクニックの礎、そういったものを手にできるわけです。

そして…、

応用を繰り返す先に、たくさんの我々の技術の発展があるのだと思います。

 

 

最後に、手前味噌ではありますが、「園部俊晴の臨床 徒手療法パート2」が12月25日に発売しました。

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この書籍は、膝、下腿、足部・足関節といったところを中心に、私のテクニックと理論を余すところなく紹介していますよ。特に、足部・足関節のテクニックは、私だけの効果的なテクニックがふんだんに入れてますので、参考にいただければと思っています。

 

1)Boyd: Text Book of Pathologie, 5, Lea & Febiger, 1947.

2)安東祐子・他:ラットアキレス腱切断後の修復過程について.広大保健学ジャーナル.vol.6: 32–42, 2006.

3)園部俊晴:臨床実習生・若手PTのための理学療法実践ナビ 運動器疾患編.運動と医学の出版社,pp30-31.2022

 

 

推薦セミナー

【小林弘幸先生】頚肩腕症候群を科学する〜局所も診て、つながりも診る評価と治療戦略〜(LIVEセミナー/ZOOM)

講 師:小林弘幸先生

開催日:2026年1月10日(土) 18:00~20:00

 

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頚肩腕症候群は、神経根症・胸郭出口症候群・末梢神経障害などを含む広い概念であり、頚部から肩・上腕・前腕・手指にかけての痛みやしびれを呈する患者に多くみられます。整形外科・リハビリテーション領域では頻度が高く、肩関節疾患として対応していたにもかかわらず、関節可動域は改善しているのに症状だけが残存するケースも少なくありません。

その背景には、局所的な病態だけでなく、以下のような複合的要因が関与します。
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本セミナーでは、以下の観点から実践的に整理します:
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【赤羽根良和先生】治療を変える“視点”が見つかる!臨床に多い腰痛の見方と運動療法(LIVEセミナー/ZOOM)

講 師:赤羽根良和先生

開催日:2026年1月31日(土) 17:30~20:30

 

概要

臨床に多い腰痛

― 現場で出会う“ありふれた腰痛”を、構造と機能から本質的に読み解く ―

「よくある腰痛」だからこそ、難しい。

臨床で最も多く出会う症状 ― 腰痛。
それは“誰でも扱うテーマ”でありながら、
なぜ痛みが取れないのか、再発するのか、改善が続かないのか
多くのセラピストが悩み続ける分野でもあります。

赤羽根先生は、そんな「臨床に多い腰痛」を
筋・関節・神経・呼吸・姿勢制御の全ての視点から再構築。
「結局、何をどう診て、どこを治すのか?」を
実践的・構造的に整理してくれる180分です。

💡 このセミナーで学べること

✅ 1. “臨床に多い腰痛”をタイプ別に整理する

  • 椎間関節性/椎間板性/筋・筋膜性など、よく出会う腰痛の臨床像を比較
  • 疼痛の発生源をどう推定するか、臨床で使える判断基準を提示
  • 「画像ではわからない腰痛」の特徴を理解する

✅ 2. 多裂筋・胸腰筋膜・横隔膜の働きを読み解く

  • 多裂筋が“働いていない”腰痛の見抜き方
  • 胸腰筋膜・体幹深層筋・横隔膜の連携が崩れるメカニズム
  • 呼吸・安定性・姿勢制御を組み合わせた運動療法戦略

✅ 3. 動作と安定性から考える腰痛のアプローチ

  • 屈曲・伸展・回旋など、動作別に異なる疼痛発生パターン
  • 椎間関節や筋膜の障害を見極め、介入まで
  • 股関節・体幹・骨盤の連動を整える運動療法

✅ 4. “動き”で診て、“動き”で治す臨床へ

  • 「静的姿勢」ではなく“動作中の腰椎挙動”を読み取る視点
  • 運動制御の破綻を整える動作修正のエクササイズ
  • 明日から使える、赤羽根先生の“評価→治療”思考プロセスを公開

🎯 こんな方におすすめ

  • 「腰痛は診ているけど、評価が曖昧になりがち」な方
  • どの組織が痛みの原因なのか、自信を持って説明できない方
  • 多裂筋・体幹・呼吸を活かした機能的治療を学びたい方
  • 日常的に腰痛患者を担当している全てのセラピストへ

応募はこちらから

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その他の園部企画の講演・セミナー

 

※新型コロナウイルスの影響により、現在会場セミナーは中止しております。
Zoomセミナーは詳細が決まり次第、掲載していきます。

 

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