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理学療法士園部俊晴のブログ

エビデンスの落とし穴!研究データのバイアスと解釈の仕方が重要!

私たちの業界ではエビデンスという言葉が、当たり前のように使われています。

 

そしてエビデンスが重要視され、研究データから「根拠がある」とされる内容は、優れていると考えられています。

 

もちろん私が患者なら、根拠のない治療をされるより、根拠のある治療をされる方が良いわけですから、エビデンスが重要視されるようになった事は良いことです。

 

ただし、ここで気をつけなければなりません。

それは、研究データのバイアスと解釈の仕方です!

 

医療界には「エビデンスがすべて」と言わんばかりの人が、少なからずいます。

 

しかし、皆さんが実際に臨床をしていて、エビデンスのあることだけをしたら患者は良くなると感じていますか?

 

確かに、エビデンスはとても大事です。

しかし、エビデンスが得られた研究データには、バイアスがあることも知っておく必要があります。

例えば先日、「朝ごはんを食べない子供はキレやすい」というデータが、ニュースで報道されていました。

 

このことを聞くと、多くの人は「やっぱり朝ご飯は重要なんだ」と感じると思います。

 

しかし、その前に「朝ごはんを与えている親」と「朝ごはんを与えていない親」の子供を比較しているわけですから、このデータにはバイアスがかかっていると言えます。

 

私は、朝食は無関係と言っているのでも、どちらの親が良いかと言っているのでもありません。

 

大切な事として、エビデンスが得られた研究でも、そのデータには必ずバイアスがあるということです。

 

極端な例ですが、脳卒中の発症後に、「失禁の有る群」と「失禁の無い群」で歩行能力を調べると、「失禁のある群は歩行能力が低かった」というデータのエビデンスが得られたとします。

 

でも、皆さんは「だから、失禁機能にアプローチして失禁が無くなれば、歩行能力も改善する」とは思いませんよね。

 

つまり、私たちはエビデンスを重要視していると同時に、臨床の実態と照らし合わせることをしているのです。

 

そして私は、こうしたデータの解釈の仕方が重要なのだと考えているんです。

 

さらに実際の臨床で結果を出しても、エビデンスがないからダメだという発想も良くないと思っています。

 

なぜなら、「実体のあるものは、後からエビデンスがわかってくる」ことが非常に多いからです。

 

7月19日の園部ブログ『膝OAに大腿四頭筋強化はエビデンスがあるって、本当なの?』でも 説明しましたが、エビデンスだけに執着するのではなく、その背景も含め、 我々がデータをどう解釈するかがとても重要であるということを理解していただければ幸いです。

 

私が代表を務める「動きと痛みLab」のセミナーでは、どの先生もエビデンスが得られた研究データを参考にして、自分の臨床の実態と照らし合わせながら講演をしてくださいます。

 

我々の業界のトップランナーの先生方が、「データをどう解釈し、自分の臨床を展開しているか」を学ぶことで、たくさんの気づきが得られると思います。

 

Youtubeで「エビデンスの落とし穴!研究データのバイアスと解釈の仕方が重要!」について解説していますのでご覧ください。

 

是非、たくさんのトップランナーから学んでください(^-^)

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

追伸

エビデンスのないものは全てダメだと言わんばかりの先生も時々見かけますが、私は「そのエビデンスを使って、目の前の患者にどのぐらいのことができるのかを、私の目の前で見せてほしい」といつも思っています(^-^)

 

 

推薦セミナー

【小林弘幸先生】頚肩腕症候群を科学する〜局所も診て、つながりも診る評価と治療戦略〜(LIVEセミナー/ZOOM)

講 師:小林弘幸先生

開催日:2026年1月10日(土) 18:00~20:00

 

概要

頚肩腕症候群は、神経根症・胸郭出口症候群・末梢神経障害などを含む広い概念であり、頚部から肩・上腕・前腕・手指にかけての痛みやしびれを呈する患者に多くみられます。整形外科・リハビリテーション領域では頻度が高く、肩関節疾患として対応していたにもかかわらず、関節可動域は改善しているのに症状だけが残存するケースも少なくありません。

その背景には、局所的な病態だけでなく、以下のような複合的要因が関与します。
・姿勢や運動パターンの影響
・神経走行に沿った滑走障害
・斜角筋・小胸筋・鎖骨下筋・肩甲背部などの軟部組織による緊張や圧迫
・体幹・胸郭・肩甲帯と上肢の運動連鎖の破綻

さらに、頚椎疾患においては、高位診断やリスク管理の観点からも超音波(エコー)の活用が重要です。エコーにより神経・筋・血管などの軟部組織をリアルタイムで観察でき、原因組織の特定や治療ターゲットの精度を高めることが可能となります。徒手療法の介入ポイントの確認、滑走不全や圧迫部位の可視化、治療効果の即時把握にも有用です。また、エコー所見は運動療法の達成度や方向性を判断する指標にもなり、評価→治療→再評価を一連の流れとして繋ぐツールとなります。

本セミナーでは、以下の観点から実践的に整理します:
● 頚肩腕症候群の病態理解と分類
● 臨床における評価方法
● 関連する神経・筋・軟部組織の解剖
● エコー解剖と局所評価・治療への応用
● 手技介入から運動療法への展開
● 評価結果に基づく治療戦略

頚肩腕症候群のように症状の実態が掴みにくい病態に対しては、評価を定型化し、治療へスムーズにつなげる臨床思考が不可欠です。本セミナーでは、全身的介入と局所的介入の双方を重視し、身体評価を軸に「どのように治療へ展開するか」を明確にします。評価と治療戦略のアップデートに直結する実践的な内容を提供します。

 

応募はこちらから

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【坂田淳先生】実践×エビデンスに基づいた下肢のスポーツ外傷・障害の評価と運動療法〜トヨタアスリートサポートセンターでの取り組み〜(LIVEセミナー/ZOOM)

講 師:坂田淳先生

開催日:2026年1月18日(日) 9:00~12:00

 

概要

下肢のスポーツ外傷・障害の発生には必ず原因があります。

股関節・膝関節・足関節各々の詳細な関節運動を把握した上で、隣接関節機能を改善させることで、トータルとしての荷重動作が安定し、統合的に評価・治療することができます。本セミナーでは、トヨタアスリートサポートセンターで実践されている知識と技術を学べる機会を提供します。

具体的には

①下肢スポーツ外傷・障害の要因を、解剖・バイオメカニクスに基づいた根拠をもとに、解説します。

② 実践的エビデンスを基に、トヨタアスリートサポートセンターで体系化されている評価手順を伝達します。

③ これまでの研究・臨床経験から導き出された治療体系を紹介します。

 

応募はこちらから

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【岡本光司先生】腰殿部痛に潜む坐骨神経障害の病態と治療アプローチ〜神経根障害と末梢性の見極めから実践的介入まで〜」(LIVEセミナー/ZOOM)

講 師:岡本光司先生

開催日:2026年1月25日(日) 10:00~12:00

 

概要

「いわゆる坐骨神経痛」といえば、梨状筋よりも末梢の病態—そう考える人が多いのではないで

しょうか。しかし、梨状筋より末梢の組織に対して理学療法を行ってみても、一時的に改善を認

めるも症状が再発する症例を多く経験します。それでは「なぜ、痛みが元に戻るのか?」

「何か大切なことを見逃しているのではないか?」この原因を探るため、筋力評価を軸とした

理学的所見をとってみると、L5、S1神経根障害を示唆する所見をしばしば認めました。

今回、実践しているL5、S1神経根障害の捉え方やその他の疾患の鑑別方法や神経根障害の改善が見られたその先の評価および治療戦略をすべてご紹介します。

 

【この講演でマスターして欲しいポイントは・・・】

3月に実技を行うので今回はその理論と基礎となります。

ズバリ、「理学的所見の本質を理解する」です。理学的所見は病態を教えてくれます。

「いわゆる坐骨神経痛」の病態を炙り出すと、やるべき理学療法がおのずと選択されるのです。

あなたの理学療法の内容が180°激変します

 

【受講することで得られること】

坐骨神経障害の真の病態と治療戦略を理解することができる

・臨床現場で迷わない鑑別思考の習慣化

・見落とされやすい「隠れ病態」の発見方法

・評価から介入まで一貫した流れを構築できる

・従来の治療で改善しなかった症例への新しい切り口となる

応募はこちらから

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【赤羽根良和先生】治療を変える“視点”が見つかる!臨床に多い腰痛の見方と運動療法(LIVEセミナー/ZOOM)

講 師:赤羽根良和先生

開催日:2026年1月31日(土) 17:30~20:30

 

概要

臨床に多い腰痛

― 現場で出会う“ありふれた腰痛”を、構造と機能から本質的に読み解く ―

「よくある腰痛」だからこそ、難しい。

臨床で最も多く出会う症状 ― 腰痛。
それは“誰でも扱うテーマ”でありながら、
なぜ痛みが取れないのか、再発するのか、改善が続かないのか
多くのセラピストが悩み続ける分野でもあります。

赤羽根先生は、そんな「臨床に多い腰痛」を
筋・関節・神経・呼吸・姿勢制御の全ての視点から再構築。
「結局、何をどう診て、どこを治すのか?」を
実践的・構造的に整理してくれる180分です。

💡 このセミナーで学べること

✅ 1. “臨床に多い腰痛”をタイプ別に整理する

  • 椎間関節性/椎間板性/筋・筋膜性など、よく出会う腰痛の臨床像を比較
  • 疼痛の発生源をどう推定するか、臨床で使える判断基準を提示
  • 「画像ではわからない腰痛」の特徴を理解する

✅ 2. 多裂筋・胸腰筋膜・横隔膜の働きを読み解く

  • 多裂筋が“働いていない”腰痛の見抜き方
  • 胸腰筋膜・体幹深層筋・横隔膜の連携が崩れるメカニズム
  • 呼吸・安定性・姿勢制御を組み合わせた運動療法戦略

✅ 3. 動作と安定性から考える腰痛のアプローチ

  • 屈曲・伸展・回旋など、動作別に異なる疼痛発生パターン
  • 椎間関節や筋膜の障害を見極め、介入まで
  • 股関節・体幹・骨盤の連動を整える運動療法

✅ 4. “動き”で診て、“動き”で治す臨床へ

  • 「静的姿勢」ではなく“動作中の腰椎挙動”を読み取る視点
  • 運動制御の破綻を整える動作修正のエクササイズ
  • 明日から使える、赤羽根先生の“評価→治療”思考プロセスを公開

🎯 こんな方におすすめ

  • 「腰痛は診ているけど、評価が曖昧になりがち」な方
  • どの組織が痛みの原因なのか、自信を持って説明できない方
  • 多裂筋・体幹・呼吸を活かした機能的治療を学びたい方
  • 日常的に腰痛患者を担当している全てのセラピストへ

応募はこちらから

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その他の園部企画の講演・セミナー

 

※新型コロナウイルスの影響により、現在会場セミナーは中止しております。
Zoomセミナーは詳細が決まり次第、掲載していきます。

 

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