PNFにおける仮説検証とは

私は常々、臨床では仮説検証が最も重要であると述べていますが、これについてはPNFでも同じようなことを述べています。
ただし、私の視点が痛みであることが多いことに対して、PNFで活動(動作)を中心に仮説検証していることが多いのが特徴だと思います。
だから、中枢疾患や高齢者、スポーツなどに携わるセラピストにとって、PNFの仮説検証の考え方は特に参考になると思います。
今回は、PNFにおける仮説検証の手順を松田現・著の「臨床に役立つPNF」の中から抜粋して、皆さんに解説します。
PNFにおける仮説検証の手順ですが、以下の6つの流れになると思います。
①治療の目的の設定
患者との対話を深めると、再び普通に歩けるようになりたい、痛みなく階段を降りられるようになりたい、
通勤できるようになりたい、孫をだけるようになりたい、食事動作を両手で行いたいなど多様な希望があることが分かります。
こうした希望の中から、患者にとって特に必要性の高い活動・動作は何かを考え、
それを達成するための課題を見つけ出し、その解決策を対象者と共に模索します。
その活動・動作の改善が治療の目的になります。
患者の希望を達成する上で、非常に大切な部分となります。
②原因因子の仮説
目的を明確にしたら、その活動・動作を妨げる複数の原因の中から、
主要の原因と、補足的あるいは副次的な原因を分けて仮説します。
③目的の活動(動作)と原因因子の測定
ここまでで、治療の目的(活動・動作)と原因を仮説していますので、
治療前に、目的(活動・動作)と原因因子を客観的指標を得るためのテストを行います。
例えば、活動・動作のテストを考えてみましょう。
階段を降りる際に膝が痛いという活動制限であれば、痛みの程度をVASやNRSで点数化するのがテストとなります。
その他、肩が痛くて洗濯物が両手で干せないという活動制限であれば、実際の洗濯物を干す動作を行い、
床から何センチまでの高さなら痛みなく上げられるのかを測ります。
次に原因因子のテストを考えてみましょう。
関節可動域制限が原因だと仮説すればその可動域を測る、
筋力低下が原因だと仮説すれば筋力を測定することがテストになるわけです。
④治療
狙いとした活動(動作)を改善させるために、仮説した原因因子にアプローチします。
これこそまさに評価に基づく治療になります。
⑤目的の活動(動作)と原因因子の再測定
治療を行った原因因子が改善したのかを再度測定します。
またその上で、狙いとした活動・動作が改善したのかを確認するとために再度測定します。
これはまさに検証作業と言えます。
⑥考察
ここまでの仮説検証が正しかったのか、軌道修正が必要か、もっと良い方法がないかなどを考察します。
臨床でこのような仮説検証作業を繰り返すことで、セラピストとしての能力が格段に成長することが頷けます。
ここまで読んでみて気づいたセラピストは鋭いです。
結局どの分野でも優れたセラピストは同じことをしていると言えます。
つまり仮説検証です。
このPNFの仮説検証においも、私が普段行っている臨床と結局は同じことになるなと感じました。
例えば、「③目的の活動(動作)と原因因子の測定」は、まさに第2水準の評価であり、
加えて「⑤目的の活動(動作)と原因因子の再測定」は、まさに第3水準の評価であると言えます。
どの分野の手技も、否定的な視点でなく、肯定的な視点で見ると、学ぶべき点や肯定すべき点があることが見えてきます。
皆さんもそれぞれの手技の良いところを取り入れて臨床を行うことで、多くの発見があると思いますよ。
臨床って、本当に、本当に、面白いですね(^_^)
今後ももっともっと楽しいことを皆さんに伝えていきます。
最後に宣伝です。
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整形クリニックに来院する股関節疾患の患者の多くは、変形性股関節症やFAIによる症状がメインになります。
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【松田現先生】臨床に多い肩関節痛に対するPNFの臨床応用~拘縮・夜間通・インピンジメントに着目して~
◆講 師:松田現先生
◆開催日:2025年9月27日(土)18:00 – 21:00
概要
人間の身体では中枢神経疾患でも、運動器疾患でも共通して短縮しやすい筋や働きにくくなる筋があります。目に見える部分の動きの感覚は鋭敏で、目の届かない部分の動きに対して鈍麻しやすいのも変わりません。
また、足底から下肢、骨盤帯、体幹を経由して上肢帯の動きがあるということを踏まえると全身の動きやアライメントを適切に評価できることが私達には求められます。
このセミナーでは単に肩関節に対してどのようなパターンを用いるのかというような方法論だけではなく、根本的に人間の身体というものを「感覚」という視点からどう捉えるのか、その感覚を変化させて症状を緩和の方向へ導くための道筋を紹介させていただきます。
どの肢位で行うのか、それは何故か。
PNFパターンを用いるのか、マット動作を用いるのか、歩行介入の中から行うのか、それは何故か。
どのPNFテクニックを組み合わせるのか、それは何故か。
どの症例にもそれぞれの病歴、病態、その人特有の身体的・感覚的特徴があります。それを踏まえて何を選択するのか、私達には大きな責任が伴います。
自身を持って肩関節疾患に対して対峙できるように、当日は様々な方法を提示させていただきます。
よろしくお願いいたします。
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【工藤慎太郎先生】1単位で診る!外来痛みシリーズ 運動器疾患の痛みの「なぜ?」がわかる~足関節 座学編~
◆講 師:工藤慎太郎先生
◆開催日:2025年10月04日 (土) 18:30 – 20:30
概要
関節の伸展制限で特に問題になる,半膜様筋の構造、腓腹筋内側頭と周辺構造の位置関係を詳細に理解して,その周囲の疎性結合組織に対する治療の重要性を理解してもらいます。
また伸展制限により悪化する関節周囲構造の機能的破綻とそれらに対する運動量を解説します。
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【小泉圭介先生】小泉先生が考えるコンディショニングトレーニング 下肢・体幹編
◆講 師:小泉圭介先生
◆開催日:2025年10月13日 (月・祝) 10:00 – 13:00
概要
概要
体幹の安定性という定義はスポーツ競技によって異なります。それぞれの動作によって求められる機能が異なるため、何が必要とされているかを見極める能力が求められます。いわゆる体幹の剛体としての固定力が必要なのか、それとも骨盤帯の回旋安定性が必要なのか、はたまた下肢と体幹の連動が必要なのかという点を整理して考えることが重要です。そして、どうやってNeutral zoneでの脊椎アライメントコントロールを学習し定着させるかがポイントになります。
今回の講習では、私が日頃行っているコンディショニングトレーニング小泉メソッドから、骨盤コントロールの評価とエクササイズのデモンストレーションをご紹介できればと思っています。
セミナー内容
・下肢と体幹の運動学を簡単に復習し、一般的に求められる機能と競技スポーツで求められるレベルの機能について再確認いただきます。
・競技者のコンディショニングで実施しているトレーニングについて、特に骨盤安定性の評価と下肢体幹連動エクササイズを例にご説明します。
・実際に小泉がどのようにエクササイズを行うか、デモンストレーションを通じてご紹介します。
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【吉尾雅春先生】股関節前面痛のインピンジメントを解剖学・神経学的視点から考察する~原因の特定とクリニカルリーズニングの重要性
◆講 師:吉尾雅春先生
◆開催日:2025年10月19日 (日) 9:00 – 12:00
概要
発症後数か月経過した脳卒中者のうち2割程度が股関節前面に痛みを持つ。しかし、その痛みがなぜ起きるのかという議論はあまりなされていない。必然的に当該部位へのアプローチは曖昧で、仕上げはなぜか「他動的なROM ex.」である。受傷後1年以内の脊髄損傷者では股関節前面に異所性骨化が散見され、手術適応になる。両者に共通していることは中枢神経障害に伴う運動麻痺である。改めて股関節の解剖学的特徴と股関節屈曲運動の構成を理解することが必要である。すると、運動麻痺者に限らず、脊柱をはじめとする体幹に問題を持つ人や健常者においてさえも股関節前面にインピンジメントを惹起する可能性が高いことに気づくことができる。
股関節の構造によるもの、疾病特有の運動障害に伴うもの、活動性の変化に影響を受ける時期的なもの、生活歴に関連するものなど、視野を広げて検討しなければならないが、本セミナーでは以下のことについて触れながら考えてみたい。
・脳卒中者や脊髄損傷者にみられる股関節前面の病態
・股関節および周辺の基本的な構造
・股関節屈曲運動の構成と問題
・股関節前面のインピンジメントの可視化
・運動障害に伴う股関節前面のインピンジメント
・生活歴と股関節前面のインピンジメント
・その他
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【松本正知先生】松本先生はこう考える!! 四辺形間隙(QLS)症候群、肩甲上神経絞扼障害、胸郭出口症候群に対する評価と運動療法
◆講 師:松本正知先生
◆開催日:2025年10月25日 (土) 17:30 – 20:30
概要
到達目標
① 四辺形間隙(QLS)、肩甲上神経周辺の肩甲骨、胸郭出口の解剖学的な特徴を理解する
② QLS症候群、肩甲上神経絞扼障害・症候群(SNES)、胸郭出口症候群(TOS)の概要を理解する
③ 上記3疾患に対する評価を理解する
④ 上記3疾患に対する運動療法の考え方を理解する
⑤ ①~④の理解を通し、セラピストが患者さんへ提供できる運動療法を再考する
QLS症候群、SNES、TOSは腕神経叢のそれぞれに関わる神経の絞扼性神経障害であり、共通の症状として肩の外側から後方の痛みや放散痛、筋力低下に伴う挙上動作の困難、感覚障害などが上げられます。これらの疾患に対する基本的な運動療法の考え方は、同じと思います。末梢神経へのアプローチだけでなく、その周辺のfascia、肩甲上腕関節や肩甲骨の機能の回復、全身的な(特に股関節より近位)柔軟性や筋力を改善する必要があります。ただそれだけでは、不足していると考えます。
本講義では、①~④を到達目標とし、⑤でその不足していると思われる運動療法を考えたいと思います。
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その他の園部企画の講演・セミナー
※新型コロナウイルスの影響により、現在会場セミナーは中止しております。
Zoomセミナーは詳細が決まり次第、掲載していきます。
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