閉じる
  1. 林典雄先生監修!赤羽根良和執筆! ついに登場!!
閉じる
閉じる
  1. 体幹筋力ってなんで重要なの?
  2. 股関節外転モーメントと外転筋群の痛みや張り感について
  3. あらゆる基本となるスクワット動作
  4. 私が必ず診ている立位アライメントとは?
  5. 長母趾屈筋の癒着や滑走障害の好発部位とその治療
  6. 大腿骨の頚部軸運動とは
  7. 上肢の各神経の伸張テスト あなたは臨床で適切にできますか?
  8. 足底の痛みやしびれ、もしかして「脛骨神経」が原因かも?
  9. 彼女の再始動に心が震えた!母となったアスリートの挑戦!
  10. 運動療法の「見える化」!
閉じる

理学療法士園部俊晴のブログ

私が必ず診ている立位アライメントとは?

私の臨床では、この20年を考えても、全症例で荷重位での足部全体のアライメント評価を行っています。

というより、欠かせない評価だとも考えています。

 

20年間、必ず行っているということは、意味があるから行っているわけですよね。

ではどんな意味があるのか、そのことについて今回は説明したいと思います。

 

立位アライメントで、私が診ている項目は実はたくさんあるのですが、必ず診ているのは、次の3つです。

具体的には、立位で後方視から「後足部角」や「レッグヒール角」を、前方視から「足部アーチの高低」を観察します。

「後足部角」や「レッグヒール角」は立脚前半相の力学的負荷に、「足部アーチの高低」は立脚後半相の力学的負荷に反映すると私は考えています。

このことについて以下に詳しく解説します。

 

後足部角は、床面に対する踵骨の傾きを示す角度で、立脚前半相の後足部の肢位および足圧中心(center of pressure: COP)に関連しています(図1)。

例えば、立位で後足部が過度に回内している症例は、接地時も必ず回内し、前半相の足圧中心が内側に変位します。

そのため、後足部角の回内は、立脚前半相に過度な回内を生じると予測できます。

加えていうと、後足部が回外している症例では、立脚前半相には回内を生じないため、もし回内が生じるとすれば立脚後半相に生じると予測できます。

 

レッグヒール角は、踵骨と下腿を結ぶ角度のことで、立脚前半相における踵と下腿との関係を反映します(図2)。

例えば、立位のレッグヒール角が回内していれば、立脚前半相において足関節の内側組織は伸張され、外側組織は圧縮負荷を受けることになります。

そのため、レッグヒール角の回内は、後脛骨筋・長趾屈筋に過度な伸張負荷を加える要因となります。

 

足部アーチの高低は、足部を前から見た時のアーチの高さを示す指標で、立脚終期(TSt)の足関節の底屈・背屈や、これらに伴う力学的負荷に関連しています。

例えば、下図bのような足部アーチが低い扁平足の症例では、立脚後半相で生じるヒールレイズが遅延し、それに伴い足関節が背屈位で蹴りだすことが多くなります。

これにより立脚後半相で過度な足関節背屈と足部回内を生じやすいです。

一方で下図cのような足部アーチが高い凹足の症例では、立脚後半相で生じるヒールレイズが早期に生じてしまい、それに伴い、足圧中心がより前方に移動します。

凹足のCOPは外側に変位しやすいですが、外側から急速に内側に転換するような軌跡をたどることがあります。

これによりアブダクトリーツイストが生じ、足部回内および外旋が生じることがあります。

 

※ 用語解説

アブダクトリーツイストとは、立脚期後半に踵が地面から離れる際、踵が急激に内側へ移動し、それに伴って足部が外旋する動きのことを示します。

 

 

どうですか。

思い込みで評価をしてはいけませんが、このように立位アライメントを診ることによって、歩行時にどんな動きをするか、どんな力学的負荷が生じやすいのかを予測できるということは非常に大切だと思いませんか。

 

こういった知見を参考に、評価と治療へ応用することが大切だと私は考えています。

 

推薦セミナー

【岸田敏嗣先生】臨床で使える触診と断面解剖の知識~機能解剖学的視点からの実践アプローチ

講 師:岸田敏嗣先生

開催日:2025年11月24日(月・祝) 9:00–12:00

 

概要

【講師概要】
講演内容
●臨床での評価・治療に展開できる超音波解剖と触診
今まで学んだ解剖学は基本的には教科書を中心とした二次元の知識かと思います。その二次元解剖の知識をベースに各自が頭の中で立体的に構築したものを三次元解剖としていることかと思います。中にはご献体にて実際に学ばれた方もおられるでしょうが、また、それも目の前の症例とは一致しません。そんな状況で触診をして評価・治療に展開していく必要があります。エコーを活用した触診も併せて、私が行っている方法とその考え方をご呈示して、その方法と限界をみなさんと共に考えていきたいと思います。

【セミナー内容】
●触診の基礎
触診を行うに当たり、私なりの工夫や注意点などのポイントを呈示します。

●評価・治療への展開
触診の必要性と、できることで可能となる評価・治療への展開について、具体的なものをピックアップして呈示し、今後の勉強の方向性を確認します。

【到達目標】
・三次元解剖学の考え方、学び方を理解する。
・触診の基礎、その重要性と練習の方法を理解する。
・触診の評価。治療への展開を理解する。
・エコー画像の解釈を理解する。

 

応募はこちらから

↓ ↓ ↓

https://pro.ugoitalab.com/products/20251124z/

 

【二村涼先生】”なぜ治らない?”から抜け出す!肘関節の痛みを深掘りする~触診・評価・治療までを網羅する~

講 師:二村涼先生

開催日:2025年11月29日(土) 17:30–19:30

 

概要

肘関節(腕尺関節)は一軸性の関節であり、多軸関節である肩関節などと比較して簡単なイメージを持たれやすいですが、実際には疼痛の原因が不明確なまま漫然と治療されているケースも少なくないです。その原因としては、「内側・外側上顆炎」「靭帯損傷」といった診断名だけでは解決しない痛みや、鑑別が必要な病態が多いことが考えられ、これらに対しては詳細な評価とエコーを用いた組織や動態の可視化が重要だと感じています。
本講演では、肘関節内側と外側の痛みに対して行なっている詳細な理学所見の取り方や、エコーを用いた評価から治療までの一貫した内容を臨床に即した形で紹介します。解剖学・機能解剖学に基づいた評価や治療について自験例を交えてお伝えしますので、症例のイメージもしやすく明日からの臨床に活かせる内容だと思います。

【セミナー内容】
・肘関節の解剖とエコー解剖
・肘関節の痛みに対する評価のポイント(触診、エコー、末梢神経)
・内側部痛に対する評価とアプローチ(症例提示)
・外側部痛に対する評価とアプローチ(症例提示)

【到達目標】
・肘関節の痛みに関与する病態を理解する
・肘関節の痛みに対する評価・鑑別方法とアプローチまでの一貫した流れを学ぶ

 

応募はこちらから

↓ ↓ ↓

https://pro.ugoitalab.com/products/20251129z/

 

【工藤慎太郎先生】1単位で診る!外来痛みシリーズ 運動器疾患の痛みの「なぜ?」がわかる~頚部痛・腰痛 座学編~

講 師:工藤慎太郎先生

開催日:2025年12月7日(日)9:00~11:00

 

概要

頚部や腰部の疼痛に対する理学療法を考える上で大事なことは、疼痛発生部位を明確にするとともに、脊柱機能の改善であろう。中でも、四肢の運動に対して、如何に脊柱が細やかに動き、安定性と可動性を調整しているかを考える必要がある。その考えに基づいて、脊柱の可動性をどう評価するか? 発痛源をどう評価するか?を中心にお話しする。

特に

・上肢、下肢の放散痛を有する症例で何を考える?

・長時間座位で痛くなる症例で何を考える?

・脊柱を安定させるには?

 

応募はこちらから

↓ ↓ ↓

https://pro.ugoitalab.com/products/20251207z/

 

【齊藤正佳先生】あぐら・開排制限はこう解決する! 股関節の可動域を末梢神経から考える

講 師:齊藤正佳先生

開催日:2025年12月13日(土)17:30~20:30

 

概要

あぐらや股関節の開排動作は、股関節屈曲・外転・外旋の複合運動で構成され、日常生活、スポーツで高頻度に要求される動作です。日常診療では、これらの動作が困難な患者を多く経験しますが、その制限因子の一つが痛みです。しばしば、股関節の形態的異常であるFAIや寛骨臼形成不全などが背景にあります。そのため、適切な介入をするためには、まず、股関節内または股関節外のどちらが痛いかを身体所見と画像所見から病態を考えることが極めて重要です。関節内の痛みを疑った場合は、医師による関節内注射の反応を評価することで、病態を明確にする一助となります。関節内の痛みに対する徒手療法・運動療法では、関節内への機械的ストレスを減少させるために、関節包筋の収縮を用いて関節包内の運動の再獲得を図ります。

ただし、例え関節内の病態を疑わせる画像所見があったとしても、注射に反応しないこともあります。さらに、関節内に病態がなくても痛みを訴えることもあります。これらの場合、何が痛いのでしょうか?また、関節内に痛みがあったとしても徒手・運動療法で痛みが改善されることもあります。我々セラピストは、何を治しているのでしょうか?私は、この痛みの一つに末梢神経が関与し、末梢神経の滑走障害などが、あぐら・開排時の痛みや可動域制限を生じさせる可能性があると考えています。

本講演では、

①股関節内または股関節外の痛みについて、解剖学的な知識を知ること
②あぐら・開排動作の機能解剖学的な身体所見の取り方を理解すること
③股関節の機能解剖学に基づいた運動療法の進め方を理解すること

を目標に、実際の患者を交えながら紹介します。

応募はこちらから

↓ ↓ ↓

https://pro.ugoitalab.com/products/20251213z/

 

【吉井太希先生】症状改善から再発予防まで ~頚部障害に対する触診・評価・治療でつなぐ臨床実践~

講 師:吉井太希先生

開催日:2025年12月20日(土)17:30~20:30

 

概要

頚部のアプローチに不安や苦手意識はありませんか?

臨床現場では頭頚部痛や上肢症状を認める症例が非常に多く、これらの症例に対しては頚部を評価して治療する必要があります。
しかし、この評価と治療を行う際には、”触診技術”が問われます。
例えば、上角部痛を呈する症例に対して触診を行い、得られた情報が「肩甲挙筋が硬い」と「肩甲挙筋と後斜角筋間が硬くて筋間に指が入らない」では、どちらが有益でしょうか?
後者においては、末梢神経の知識があると筋間を走行している肩甲背神経を疑うことが可能であり、同神経に対する評価を展開することができます。
その結果、統合と解釈をして肩甲背神経が疼痛に関与していると判断した場合は、肩甲挙筋と後斜角筋間を滑走させるための局所的な徒手操作を実施します。
さらに、これらの筋が再び過緊張位を呈して硬くならないために、胸郭機能や脊椎アライメントの改善を実施します。
以上のように、頚部障害の改善には機能解剖学を踏まえて触診を行い、評価・治療に繋げるプロセスが非常に重要です。

本講演では、以下の①〜③を中心に解説します。

①頚部痛に対する評価と治療
②頚部由来の上肢症状に対する評価と治療
③「①、②」を診るうえで必要な軟部組織の機能解剖と触診のポイント

受講後には頚部の不安や苦手意識を克服し、自信を持って臨床的なアプローチができることを目標とします。
先生方の頚部に対する臨床判断力の構築に貢献できれば幸いです。

 

応募はこちらから

↓ ↓ ↓

https://pro.ugoitalab.com/products/20251220z/

 

 

その他の園部企画の講演・セミナー

 

※新型コロナウイルスの影響により、現在会場セミナーは中止しております。
Zoomセミナーは詳細が決まり次第、掲載していきます。

 

関連記事

  1. こんな運動連鎖って本当?スクインティングパテラに対する臨床での考…

  2. 滑走障害はなぜ起こるのか?④

  3. 韓国から来た代表選手

  4. 肩関節の評価から治療までの流れ

  5. 術後の筋力…ずっと鍛えさせるつもりですか?

  6. 距骨外旋を助長する4つの因子

おすすめ記事

  1. 林典雄先生監修!赤羽根良和執筆! ついに登場!!

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


ピックアップ記事

  1. 「体幹は大事」と我々の業界ではよく言われますよね。しかし、なんとなくそんなふうに思ってはいる…
  2. 臨床で股関節外転筋群の痛みや張り感を有する患者は多いと思います。そこで今回は、股関節外転筋群…
  3. 私たちセラピストが患者の筋力を回復させる際、スクワット動作は最も基本的で、よく用いられる運動のひとつ…

Instagram

Instagram は無効なデータを返しました。

フォロー

ページ上部へ戻る