トップランナーが行っている動作分析の秘訣!痛みをとるには理由がある

動作分析をしながらアプローチをしていくと、同じような動きをしているのに、アプローチをした結果が「良かった症例」と、「そうでない症例」がいませんか?
動作分析は、最強の評価方法でありながら、とても難しい評価方法でもあります。
理由は、同じ力学的負荷が加わっているにもかかわらず、その負荷が生じる原因が異なることがあるからです。
この意味について深く理解できれば、動作分析から痛みをとる秘訣が見えてくると思いますよ(^-^)
さっそくですが、症例A(腸脛靱帯炎を有する症例)と症例B(前十字靭帯損傷後に内反変形を伴い、痛みを有する症例)の、2つの例を挙げて説明していきます。
イラストからも分かるように、症例Aも症例Bも、膝関節に過度な外反モーメント(内反方向への力)が加わっています。
症例Aに対しては、この過度な外反モーメントを改善させるために、腸脛靱帯のストレッチングや、膝関節内反アラインメントの改善が必要になります。
しかし、症例Bに対しては、治療の方向性が少々異なります。
なぜなら、前十字靭帯は大半が外反受傷するため、損傷後は外反することを無意識のうちに逃避し、この逃避動作が経時的に内反変形を起こしているからです。
そのため、症例Bに対して「膝関節が内反しているから」といって安易に外反方向に誘導した場合、さらに逃避を強め、内反変形を加速させることになりかねません。
症例Aも症例Bも外反モーメントが力学的負荷として加わっているにもかかわらず、症例Aでは「力学的負荷が障害を助長し」、症例Bでは「逃避によって力学的負荷が加わっている」と分析することができます。
つまり、同じ力学的負荷が加わっているとしても、その負荷が障害を助長しているのか、逃避によって障害が生じているのかによって、治療の方向性が異なるということがわかります。
いかがですか?
動作分析から痛みをとる秘訣が見えてきませんか(^-^)
「動作分析から正常と逸脱する要素を見つけて、その要素にアプローチする」といった考え方だと、アプローチをした結果が「良かった症例」と、「そうでない症例」の違いがわからないのです。
これは“狙い”とする力学的要因が見つけられていない、とも言えます。
その動作で起こる力学的負荷は「障害を助長しているのか」、それとも「逃避によって障害が生じているのか」、これをまずは考えながら動作分析をしてみてください。
“狙い”とする力学的要因を絞り出すことが、動作分析から痛みをとる秘訣です。
そして、それを可能にするのがいつも皆さんにお伝えしている「組織学的推論と力学的推論」なのです(^-^)
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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何卒よろしくお願い申し上げます。
園部俊晴先生(13:20~15:40)
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