トップアスリートのからだの特徴 その2
私の大好きな三浦知良選手が強く影響を受けた言葉
「決して頂点に到達することはなく、常に学び続けるものだ」
これ、クロアチアのゴラン・ユーリッチ選手の言葉だそうです。
めちゃくちゃ大切な言葉ですね!!!
さて、前回のブログで
トップアスリートのからだの特徴として、
意外と「からだが硬い」ということをお伝えしました。
そして、このからだの硬さは、
①「関節の硬さ」
②「筋の硬さ」
③「膜(皮膚や筋膜など)」
④「可動域」
の4つに分けて私は考えていることもお伝えしました。
今回はこれらの意味を解説していきます。
まず、「関節の硬さ」とは、主に関節の遊びの量を意味しています。
これは可動域とは異なります。
例えば、膝が過伸展しても、関節の遊びは小さい人も、大きい人もいます。
逆に、膝窩が床に接せず膝が伸びていなくても、関節の遊びは小さい人も大きい人もいます。
つまり、関節の硬さと可動域はそれほど相関しないのです。
私は、関節の硬さは主に軟部組織の性質に依存していて、
可動域は主に構造に依存しているのだと考えています。
次に、「筋の硬さ」とは、筋の伸長性を意味しています。
いわゆる一般の人たちが「体が柔らかい」と表現するときは
この筋の硬さを意味しています。
関節が硬く、筋も硬い人はもちろんいますが、
関節は硬いけど、筋が柔らかい人もいます。
この人はどうだろうと確認することがやっぱり大切なんです。
そして、「膜(皮膚や筋膜など)」とは、触った時の身体を包んでいる膜の張り感を意味しています。
腸詰のウィンナーを考えてみてください。
中の肉が硬い場合も触った感じは硬くなりますし、
皮が張っている場合も触った感じは硬くなります。
私たち人間も同じで皮膚や筋膜が張っている場合も、
からだの硬さを構成する要因になります。
最後に、「可動域」とは、ROMの計測の角度を意味しています。
筋は柔らかくても、関節が柔らかくても、可動域が硬い人は結構います。
こうしたからだの硬さを構成する4つの要因をそれぞれ考察すると、
様々な発見が生まれてくると思いますよ(^-^)
さて、改めてこう言われてみると
臨床でも確かにこの4つは違うなと
感じた人が多いのではないでしょうか。
そして、4つの硬さのうち、
「関節の硬さ」については、
ほとんどのトップアスリートで硬いんです。
特に野球やサッカー、短距離走のように、
強いパワーとスピードを必要とする競技の選手は、
「関節も、筋も、膜も硬い」ことが多いんです。
筋が柔らかいこともありますが、
少なくとも「関節」と「膜」は硬いのです。
また、前回もお伝えしましたが、
バレリーナも関節は硬いといった意味が
より分かってもらえたでしょうか。
バレリーナを含め、トップダンサーに共通した特徴は、
「関節は硬く、筋は異常に柔らかく、可動域は異常に大きい」です。
つまり、関節が硬いからこそ、
グラグラしない安定した軸をつくれて、
なおかつ筋の柔軟性と可動域の大きさがあるからこそ、
しなやかに、そして大きく動けるのです。
さらに、私の師匠である入谷誠先生は
「箱根駅伝の山の神の一人は、
体前屈がマイナス30cmくらいだった」と言っていました。
この場合、「硬さを利用している」と考える方が妥当だと思いませんか(^-^)
おそらくこれをストレッチングして柔らかくしてはダメだと思いますよね。
だからこそ前回のブログでも強調しましたが、
硬いから柔らかくするという概念は、
痛みに対しては良いとしても、
パフォーマンスを上げることにつながるかどうかは「わからない」
ということなんです。
(もちろん、良い場合もあります)
また、こんなことも言えます。
それは日本を代表するようなトップアスリートでも、
意外とからだの異常があると言うことです。
例えば、体幹が曲がっている、首が曲がっている、膝が捻じれている、足が外転しているなど…
逆を言えば、そういった異常を見つけて、より良好なからだを作れるようにサポートすると必ず喜ばれます。
でもここからは「良好とは?」の概念が重要になりますよ(^_^)
いかがでしたか。
とても参考になる話だと思っています。
こうしたことは、たくさんのトップアスリートを診ないとわからない意見です。
そして、どこにも載っていない情報です。
だからこそ、これからもこのブログではどんどん有益な情報を発信していきますよ!
それでは次回も楽しみにしていてくださいね(^_^)
推薦セミナー
LIVEセミナー/ZOOM【齊藤正佳先生】1単位で診れる!!鼡径部痛を末梢神経から考える
◆講 師:齊藤正佳先生
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概要
運動器疾患に関わるセラピストに求められることの一つに、痛みを取り除くことが挙げられます。
鼡径部の痛みも同様ですが、鼡径部の痛みは腰痛や股関節周囲の痛みと関連しあい、広範囲に渡ることがあります。これらの痛みを取り除くためには身体所見と画像所見とから病態を探ることが求められるものの、画像からは病態が得られないこともあり、困ることが多いのも事実です。
しかし、(末梢)神経により引き起こされた痛みと考えれば、腰痛や股関節周囲に幅広く出現していると理解できます。そのため、身体所見では、圧痛だけでなく伸長テストや筋出力などから病態を把握することが極めて重要となってきます。
本セミナーでは、末梢神経障害由来の鼡径部痛について、身体所見の取り方や運動療法の進め方を、症例を交えて紹介します。
【セミナー内容】
●前半
・鼡径部、股関節の機能解剖
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●後半
・機能解剖を基にした評価、運動療法
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【到達目標】
・(末梢)神経障害による鼡径部痛を理解する
・圧痛が認められる理由を理解する
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・運動療法の進め方を知る
【参考資料】
・お手持ちの解剖学書
・坂 雅之:臨床の疑問に答える軟部組織の障害と理学m療法〜解剖と病態の理解に基づく評価と治療. 羊土社, 2023
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LIVEセミナー/ZOOM【山本伸一先生】脳卒中患者の上肢・体幹機能へのアプローチ〜臨床に多い上肢の痛みと動きを体幹との関連から考える〜
◆講 師:山本伸一先生
◆開催日:2024年9月21日(土) 18:00~21:00
概要
上肢・手の機能アプローチは個別性であることから、それぞれ悩むことが多いと思います。しかし、一方では共通要素もあり、その原則・指針を理解することで介入のバリエーションにつながることになります。
今回の研修会では、これら含めた脳卒中の障害像の基礎理解とともに上肢・手の機能の問題点と介入について整理します。そのうえで脳卒中における肩の痛みの機序から種類等をご説明いたします。それぞれの臨床に活かせていただければと思います。
初めての方でも全くだいじょうぶです。わかりやすく説明いたします。また、これまでに参加された方でもOKです。宜しくお願いいたします。
翌日には実技セミナーを開催します。合わせて受講すれば理解が深まります。
【山本伸一先生】脳卒中患者の上肢・体幹機能へのアプローチ〜臨床に多い上肢の痛みと動きを体幹との関連から考える〜(実技セミナー)
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LIVEセミナー/ZOOM【中村尚人先生】側弯症の保存療法について〜SOSORTのガイドラインと日本の現状〜
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◆開催日:2024年9月29日(日) 9:00~12:00
概要
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LIVEセミナー/ZOOM【祝広孝先生】MCP(触察技術を用いた筋コンディショニング)の理論と効果
◆講 師:祝広孝先生
◆開催日:2024年10月5日(土) 19:00~22:00
概要
【講演内容】
・MCPの理論と効果について
・骨格筋に視点をおいた姿勢変化や関節機能異常の捉え方
【到達目標】
・MCPの理論を理解する
・骨格筋に視点をおいた姿勢変化や関節機能異常の診方を理解する
【参考資料】
骨格筋の形と触察法(大峰閣)http://daihokaku.com/index.html
【MCPとは】
MCPはリハビリテーションの現場だけでなく、スポーツ選手のコンディショニングの現場などで対象者の持つ潜在的な筋の伸長性や収縮パフォーマンスを即時に引き出す事ができるテクニックです。
MCPは様々な手技の不思議を解剖学を軸に考察する中で生まれた理論を土台としています。故に理論上の限界はありますが、逆に理論の範疇であれば、誰でもどの筋に対しても同じ効果が得られ、その再現性は他に類をみません。
MCPでは正確な解剖学的情報と体表解剖学の技術(触察)により、個別の筋に対して選択的にアプローチが可能です。症状と原因筋の関係がより明確となる事により、以降の対象者の症状に対する臨床推論の精度も向上します。
MCPは単独でも使えるテクニックですが、その理論は人の身体を触れるテクニックの基礎となる理論と言え、皆さんの現在用いている各種テクニックに組み込む事で、そのテクニック自体のスキルも向上させてくれるはずです。
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LIVEセミナー/ZOOM【中宿伸哉先生】足部障害における理学療法の実際
◆講 師:中宿伸哉先生
◆開催日:2024年10月12日(土) 18:00~19:30
概要
足部障害を考える上で切り離せないのが、アーチの構造です。内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3軸で構成されるアーチは、歩行時の推進力に影響するだけでなく、床面からの衝撃を適度に吸収することで、下肢の関節への応力集中を防止します。
アーチの構成は、各足根骨によって形成されます。そのため、各々の骨がどのように動くのかを理解することが必要です。筋や靭帯の緊張によって能動的に動く骨もあれば、隣接の骨から受動的に動く骨もあります。隣接した骨がお互いにバランスよく連動して動くことが求められますが、これらが破綻した時に、どの部分が補うのかで障害の程度が異なります。筋機能によって補うのであれば、筋由来の疼痛が出現する可能性があり、靭帯や関節にストレスが加われば、これらが疼痛の原因になりえます。
足部障害には、足底挿板によるアライメント補正が有効です。一方で、膝関節や股関節のマルアライメントにより、足部への重心移動が変化することによってもアーチ構造に影響します。どちらが効果として有効であるかは、それぞれが相互作用として影響するため、一概に述べることはできません。現に、足底挿板によって膝、股関節のアライメントも補正され、これら周囲の筋力が改善することも珍しくありません。股関節や膝関節の筋力低下が足部障害に影響しているからといって、各々に単発的なトレーニングを安易に行うべきではないと考えます。臨床的には、よいアライメントの中で、いかに筋の発揮能力を高める複合的なトレーニングを行えるかが重要です。理学療法士の役割は、それに影響するであろう足部の疼痛や拘縮改善を適切に行うことです。
本講義では、足部機能の理解と、徒手的治療、足底挿板療法を中心に提示致します。
【セミナー内容】
・足部の機能解剖
・足部アーチの構造と機能
・足部障害の基本的評価
・各足部疾患の病態と治療
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https://seminar.ugoitalab.com/event/20241012z/
LIVEセミナー/ZOOM【岡本光司先生】もう悩まない!坐骨神経由来の複雑な痛みを紐解く〜大腰筋の深層を科学する〜
◆講 師:岡本光司先生
◆開催日:2024年10月26日(土) 18:00~19:30
概要
「いわゆる坐骨神経痛」といえば、梨状筋よりも末梢の病態—そう考える人が多いのではないでしょうか。しかし、梨状筋より末梢の組織に対して理学療法を行ってみても、一時的に改善を認めるも症状が再発する症例を多く経験してきました。
それでは「なぜ、痛みが元に戻るのか?」「何か大切なことを見逃しているのではないか?」この原因を探るため、筋力評価を軸とした理学的所見をとってみると、L5、S1神経根障害を示唆する所見をしばしば認めました。
今回、L5、S1神経根障害の捉え方およびそのアプローチ(大腰筋や多裂筋)をご紹介します。
リハビリ現場での23年間、「いわゆる坐骨神経痛」を診てきた立場で、紆余曲折の末に導き出され辿り着いた、48才シニアPT「オレみたいになるな!失敗から学ぶ【坐骨神経痛の真実】」必見の内容です。
【この講演でマスターして欲しいポイントは・・・】
ズバリ、「理学的所見の本質を理解する」です。理学的所見は病態を教えてくれます。「いわゆる坐骨神経痛」の病態を炙り出すと、やるべき理学療法がおのずと選択されるのです。あなたの理学療法の内容が180°激変します。
応募はこちらから
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https://seminar.ugoitalab.com/event/20241026z/
その他の園部企画の講演・セミナー
※新型コロナウイルスの影響により、現在会場セミナーは中止しております。
Zoomセミナーは詳細が決まり次第、掲載していきます。
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