股関節の術後に生じるデュシェンヌ様跛行

股関節の手術後の症例では跛行が必発します。
跛行を呈している症例を診ると、筋力低下が原因と考えるセラピストは多いと思います。
しかし、可動域制限が原因で跛行を呈している症例は決して少なくないと私は考えています。
その中でも、内転可動域制限が原因で生じるデュシェンヌ様歩行について必ず知っておかなければなりません。
そこで今回のブログでは、股関節術後に内転可動域制限が原因で生じるデュシェンヌ様歩行の解説をしたいと思います。
改めて気づくことが多くあると思いますので、最後までご覧ください。
デュシャンヌ歩行は立脚時に体幹を立脚側へ倒す現象のことで、
この現象が股関節外転筋力の低下や股関節に荷重時痛がある場合に生じることを知らないセラピストはいないでしょう。
しかし、股関節外転筋の筋力低下や股関節の疼痛が無くても、デュシャンヌ歩行のように、立脚側へ体幹を傾けて歩く場合があります。
このことを理解するために、下の図を見てください。
体幹を直立した状態で片脚支持を維持するためには、体幹を外側へ平行移動させ、身体重心が支持基底面である足部に落ちることが必要です(図●a,b)。
しかし、体幹を直立した状態で外側に平行移動させるためには、支持脚の股関節内転運動が必要ですから、内転可動域制限がある症例では、身体重心を足部に乗せることができません(図●c)。
このため、内転可動域制限のある症例は股関節の内転を行わないで身体重心を足部に乗せる代償動作を取るようになります。
すなわち、体幹を支持脚側に傾斜させ、股関節で外転位を維持しながら片脚支持しようとします(図●d)。
この動きは、股関節外転筋の筋力低下でよくみられるデュシャンヌ歩行とは異なりますが、見た目ではほとんど見分けがつきません。

歩行時に体幹の側方動揺を呈する症例を見ると、
私たちセラピストは股関節外転筋の筋力低下をすぐに頭に浮かべることが多いと思います。
しかし、股関節外転筋の筋力低下の有無に関わらず、
内転可動域制限があれば必ずデュシャンヌ(様)歩行が生じますので、このことを留意しておく必要があります。
このように、可動域制限が原因で跛行を呈している症例は少なくありません。
こうしたことが分かってくると、我々がまず評価しなければならないことが見えてきます。
セラピストがまず改善すべき機能として、可動域に関わることが多いということを忘れずに評価や治療を行うことは重要です。
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