おそらく世界初! アキレス腱周囲の痛み! 〜ケーガーズ脂肪体が痛みを生じる病態力学〜

私は臨床で、まずはじめに病態を評価し、その上でその病態をつくった力学を考察し、病態と力学の両面に治療を行なっています。
そのため、ある組織が痛みを生じている際に、どのような力学的負荷を受けているのかを常に診ているんです。
この作業を繰り返してきたので、どの組織が、どの力学的負荷によって痛みを生じやすいのかわかっているんです。
皆さんの臨床で、アキレス腱周囲の痛みを訴える患者っていませんか。
その際の原因組織として、ケーガーズ脂肪体はアキレス腱周辺では最も多い痛みの原因組織の1つです。
そこで今回のブログでは、ケーガーズ脂肪体が痛みを生じるようになる病態力学について私の考えをお話したいと思います。
まずはケーガーズ脂肪体の機能解剖からおさらいしましょう。
ケーガーズ脂肪体は、動態の違いからアキレスパート、FHLパート、ウェッジパートの3つに分けられています。

そして、それぞれのパートが足関節運動に伴い、異なった動態を有します。
下の図aのように、足関節の底屈運動に伴いアキレス腱は近位へ移動し、アキレスパートの脂肪組織も近位へ移動します。
一方で、FHLパートの脂肪組織は遠位へ移動します。
同様に、図bのように、足関節の背屈運動に伴いアキレス腱は遠位へ移動し、アキレスパートの脂肪組織も遠位へ移動します。
一方で、FHLパートの脂肪組織は近位へ移動します。
このように足関節運動に伴い、非常に滑走を伴う組織と言えます。

ここまでは皆さんもよく知っていることだと思います。
では、どのような力学的負荷により痛みを生じるようになるのでしょうか。
私の臨床経験から、ケーガーズ脂肪体が痛みを生じている場合、2つのことを考える必要があります。
1つ目は、外傷や手術によって瘢痕化している。
2つ目は、外傷や手術後ではなく、非生理的な運動によって炎症を生じている。
今回は、2つ目の痛みについて解説します。
ケイガーズfatpadが、外傷や手術後ではなく痛みを生じている場合、
過度な後足部の傾きを伴っていると私は考えているんです。
下の図は後足部が回外位でのケイガーズfatpadの動態を示しています。
過度な後足部の回外により、内側のKFPは外側へ押し出されることになります。
加えて、過度な後足部回外により腓骨筋や周囲の膜が非常に張った状態となります。
前述したように足関節底・背屈運動に伴いケイガーズfatpadは非常に長い距離を滑走するため、外側へ偏位した脂肪体には強い摩擦負荷が加わることで痛みが生じると考えています。

後足部が過度に回内している例においても同様です。
過度な後足部の回内により、外側のKFPは内側へ押し出されることになります(下図)。
そのため、過度な後足部回内により伸張された内側の組織と内側へ偏位した脂肪体には強い摩擦負荷が加わることで痛みが生じると考えています。

臨床的には、どちらのタイプでも痛みを生じていることはありますが、どちらかというと後足部が過度に回外している患者の方が痛みを生じていることが多いと思います。
いかがだったでしょうか。
ケイガーズfatpadが痛みを生じるようになる病態力学についてご理解いただけたと思います。
おそらくこんなことは世界中で誰も行っていないと思います。
今後も、病態と力学の両方を診てきたからこそ分かったことをどんどん紹介していきますよ。
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