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理学療法士園部俊晴のブログ

腰痛に関する質疑応答part2

前回の「腰痛に関する質疑応答part1」は、とても反響がありました。

 

今回はその続きです。

 

part2もめっちゃ勉強になりますよ。

 

 

 

 

受講生からの質問6

股関節外転によって内転筋の牽引ストレスで痛みが出る人は、仙腸関節にも痛みがあることが多いという印象があり、関連があるように思うのですが、それについてどうお考えでしょうか。

 

園部

今日、紹介したパトリックテストやゲンスレンテストのように、股関節に痛みが生じるときには、必ずどの運動でも骨盤固定化と、固定しないものとで痛みを評価するようにしています。

そこで固定下では痛みが出ないようであれば、仙腸関節が原因であることが多いです。

また、固定下の方が痛みが強く出るようであれば、股関節由来の痛みであると言えるかと思います。

ただしここで大切なのは、股関節由来の痛みと判断しても、ここで止まってはダメです。つまり例えば、股関節内側に痛みが生じているならば、本当に内転筋が痛いのか、閉鎖神経由来で痛いのかなど細かくここで組織を診ていくことが大切です。

痛みを拾っている組織によって、治療が変わってくるからです。

例えば触診で恥骨筋が硬くて、これが痛みを拾っているとわかれば、私は必ず立って骨盤が後傾しているかどうかを評価します。

なぜならば恥骨筋は内転筋の中で骨盤が後傾すると伸びる筋肉だからです。

 

成田先生

今の質問に・・・、即座にその回答ができるのは天才ですね。(^_^)

いまの内容に少し補足すると、仙腸関節と股関節は臨床的に関連していて、股関節が硬ければその最終域を超えると仙腸関節に剪断力がかかるわけです。だから股関節の可動性を広げることはまずは一つのポイントになると思います。

 

 

 

園部から成田先生への質問2

※ 皆さん、この質問の内容はめっちゃ重要なので、熟読して、自分の臨床と照らし合わせて考えてみてください。

園部

いまは股関節の可動性の話が出たところで、とても大切で、皆様が絶対知っておいて欲しいので、私から成田先生に質問させていただきます。

椎間関節の痛みで、伸展して痛かった場合は、制動して痛みが減るかどうかを評価していましたよね。

 

成田先生

そうです。

 

園部

その一方で、屈曲して痛い場合は、痛みを出している関節の動きを促して痛みが変化するかどうかを評価していますよね。

 

成田先生

そうです。

 

園部

つまりL4/5間の椎間関節であれば、そこだけが過度に負荷を受けているので、その部位を動かなくすることで痛みが減ります。

だから運動療法もそこに負担がかからないように、他の関節の可動性を広げたり、そこに負担のかからない動きを運動学習したりするわけです。

しかしL4/5間の椎間関節で屈曲時に痛みがある場合は、むしろその動きを促した方が痛みが減ると私は考えているのですが、それで良いでしょうか。

 

成田先生

そうです。

 

園部

これはめちゃめちゃ大事な事で、L4/5間の屈曲時の痛みであれば、制動するのではなく、動きを促して痛みが改善するということは、痛みをとるための徒手誘導が伸展時とは逆になります

だから運動療法も徒手療法もこの関節の可動性をきれいに促すようにするわけです。これは似ているけど全然違いますよね。

こういったことが臨床では多々あるわけです。

だから皆さんもそうだと思いますが、臨床をやっていて、痛みがあると・・・、

その部位を促した方が良いのか、逆に動きを止めた方が良いのかということを治療の方向性として迷うことがよくあるわけです

腰に限定した話で良いのですが、「痛みの部位を制御する誘導」と、「痛みの部位の動きを引き出す誘導」をするときを成田先生はどのように分けていますか。

我々臨床家は、自然と感覚的にやってしまうところはあると思うのですが、こうした区分けをどうやって行っているかのルールがあるのであれば、皆が役に立つと思うのですが成田先生のお考えを教えてください。

 

成田先生

私の場合、椎間関節では伸展時に圧縮応力を受け、それを支点として伸びるところがあるのでその動きを制御しています。そして屈曲時には滑らないところがあって、その滑らないところを支点に伸ばされるところがあるので、その滑らないところを引き出しているというのが私の考えです。答えになっているでしょうか。

 

園部

なるほど。

先生の理屈はわかりました。

例えば筋膜であれば、筋膜が伸ばされて痛いですが誘導は筋膜を伸ばしていますよね。

 

成田先生

そうです。

 

園部

つまり先程の話であれば「痛いその部位の動きを引き出す誘導」をして痛みを取りますね。

 

成田先生

そうです。

 

園部

すなわち、「痛みの部位を制御する誘導」ではなく、「痛みの部位の動きを引き出す誘導」をして痛みを取っていますよね。

そのことを聞いて思ったのですが、滑走が悪くて痛みを起こしている場合は、「痛みの部位の動きを引き出す誘導」が良くて、詰まっていることで痛みがあるような場合には「痛みの部位を制御する誘導」が良いことが多いのではないかと思うのですが、成田先生はどう思いますか。

 

成田先生

たしかにそうかもしれませんね。

法則にできるかを考えてみます。

 

園部から成田先生への質問③

園部

もう一つ質問させてください。

筋・筋膜の痛みで、屈曲して筋と筋膜が伸ばされて痛いというのは誰でも理解ができると思います。

しかし、伸展したときは筋や筋膜は縮む方向になりますが、なぜそれでも痛いのでしょうか。

 

成田先生

今の筋膜の話で言うと・・・、

筋・筋膜の場合、痛みを生じる原因は2つです。

1つは滑走障害、もう一つは緊張があります。

滑走障害の場合、例えば2枚の紙で考えると2枚の紙の1部をホチキスで止めたとします。

そうすると2枚の紙の滑走は悪くなりますね。

この時、紙がスライドし、伸ばされる方向に行っても、縮む方向に行っても両方ともにホッチキスで止めた部分には滑走するストレスが加わるわけです。

これによって痛みが出るわけです。

 

園部

なるほど。

皆さん、めちゃめちゃ勉強になりましたね。

いまの先生のお考えは、臨床で縮むのに痛いときがある説明として非常にわかりやすかったと思います。

 

受講生から園部への質問

動き始めの痛みは、滑走障害と関与しているとおっしゃっていましたが、動き始めなので、再現できないことがあるかと思います。

実際に評価や治療をどのようにしているのかを教えてください。

 

園部

滑走障害がある人には、その人がとっている肢位に問題があることが多くあります。

つまりズレた肢位で長時間いると、完全くっつくわけではなく、滑走が悪くなってくる組織があると考えています。

だから、その人のアライメントがどうなっているのかをしっかり評価する必要があります。

そしてそのアライメントをしっかりと評価して、我々が修正すべき点を指導するようにしています。

そしてもう一つ大事な事は、滑走が悪くなっている組織を評価の中から必ず見つけてあげることです。

そしてその組織を滑走させる方法を患者にセルフエクササイズで教えることも大事です。そうすれば長時間同じ姿勢をとったときに、その組織を自分で滑走させると、動き始めの痛みが減るからです。

 

成田先生から園部への質問

成田先生

今の質問に関連するところですが、動いて痛いのであれば、その動きを評価して痛みの変化を診れば良いわけですが、しかし動いていないときに痛いことがあります。

例えば、いまは痛くないけど、長く座っていると痛いとか、時々痛いとか、寝て起きる時に痛いとか、そういった時、先生はどうやって評価をしていますか。

 

園部

とても良い質問だと思います。

というのは、私も若いときにはその場で痛みが出ないと、正直言うと評価としては“狙い”とする組織を見つけられなかったんです。

お手上げだったわけです。

それで今はどうしているかというと、必ず誘導の方向を見つけるようにしています。

例えば体幹であれば、骨盤を内方に誘導した方が良好な動きになるのか、外方に誘導した方が良好な動きになるのかなどを評価するわけです。

そうやって動作との関連で、その人にとっての良好な動きや肢位を見つけていきます。

そうやって評価すると、身体の変位を見つけて、それを改善するだけの考えては足りないことも分かります。

つまり変位している方向とは逆にするだけでなく、同方向に誘導した方がかえって変位が改善することがあるんです。

こうやって診ると、誘導の方向も見えてくるし、これに関連して、“狙い”とする組織も見えてくるんです。

 

成田先生

なるほど。

 

園部

この質疑応答は1時間やってもよかったですね(^_^)

来年もこの会をやりましょう。

我々ももっともっとレベルアップしてやっていきますよ。ぜひまた機会があったら参加してください。

 

追伸

コンディション・ラボを開業して、1年7ヶ月です。

患者数がなんと・・・、1000人を越えました。

著名人の写真もいっぱい増えました!

 

ラボは週4日の営業です。

しかも、毎日1時間は出版社の作業の時間も確保してるんです(一応、社長なんで・・・)。

それでも、この人数に達したということは、一人一人はそれほど通わしてないんですよね。

うちは、たくさん通わせて、利益を得るというやり方はしないようにしています

(他の否定ではないですよ(^_^;) )。

できるだけ少ない回数で良くしたい!

こんな思いがすこしずつ出来るようになってきているように思います。

まだまだ成長期です!

もっと、もっと、多くの方に、「こんなに変わるんだ!!!」と、

度肝を抜かせることをしていきたいんです。

まだ、まだ伸びしろを持っていると思える自分にワクワクします。(^_^)

 

 

 

 

私の推薦する書籍

以下は私がおすすめする書籍です。

脳卒中運動学

脳血管疾患を発症すると上位運動ニューロンが障害されるため、 運動麻痺や感覚障害を生じることがあります。
また、運動と現象という視点で見ると、病的共同運動パターンや連合反応、ぶん回し歩行など、健常者では見られない病的な運動と現象が生じるようになります。多くの脳卒中リハビリテーション分野の書籍では、これらの現象を脳科学から解説されるため、苦手意識を持つ方は少なくないはずです。また、脳科学で異常や運動現象を理解したとしても、そこから効果的な評価と運動療法に繋げることができない方が多いと思います。
そこで今回、脳機能だけの解釈ではなく、我々理学療法士が持っている解剖学や運動学の知識で多くの片麻痺患者の症状を説明した革新的な書籍が完成しました。

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[概要]
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[改訂版について]
今回のリニューアル改定では、特に4章「座位における体幹・骨盤の機能と運動療法」と、5章「立位における体幹・骨盤の機能と運動療法」に力をいれております。各動作の項目(4章では4動作、5章では3動作)ごとに対する運動療法のポイントを、臨床に即した形で解説しています。各動作に必要な筋活動と動作の捉え方が理解出来るようになれば、体幹の機能を高めながら身体の各部位の治療を展開することも可能です。臨床の幅が広がり、目的をもった運動療法を展開するためにも、本書を読み進めて頂ければ幸いです。

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私は理学療法士のトップランナーをたくさん見てきましたが、その中でも入谷誠先生は、類をみない傑物であったと感じています。20年以上もの間、入谷誠の弟子として臨床の変遷を見てきた立場で言うと、入谷先生は強い哲学を持ち、常に成長を求め続けた臨床家でした。日本中から症状に悩む患者が訪れ、その臨床にはいつも感動に溢れていました。
入谷先生の臨床の神髄は力学にあったと感じます。この書籍には、入谷先生が30年以上に渡り築いてきた力学的推論の治療概念が詰まっています。難解と感じることも多いと思いますが、ただの技術書ではなく、伝説の臨床家の想いの1冊であることをご理解いただき、読み進めることで気づくことがたくさんあると思います。入谷先生の集大成となったこの1冊が皆様の臨床の成長にお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。

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膝関節拘縮の評価と運動療法

林典雄先生監修の大ヒットシリーズの「膝関節」が出版されました。組織学的仮説検証行うにあたり基盤となる書籍だと思います。筆者の橋本貴幸先生が、どのように評価し、どのように治療しているのかが明確に書かれています。全編集に園部がかかわりました(^^♪

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林典雄先生監修の大ヒットシリーズの「股関節」が出版されました。組織学的仮説検証行うにあたり基盤となる書籍だと思います。筆者の熊谷匡晃先生が、どのように評価し、どのように治療しているのかが明確に書かれています。また歩行についても詳しく書かれているので、運動学の勉強にもなりますよ。

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腰痛の原因と治療

整形外科医の髙橋弦先生と、園部の共著の書籍『腰痛の原因と治療』が出版されました。この書籍で記載されている運動器疼痛症候論という概念は、髙橋弦先生独自のアイデアであり、類書は世界的にも存在しないと思います。基礎医学(神経科学・疼痛学)、整形外科学、ペインクリニック、理学療法学(特に運動療法)、精神医学の考え方の解離を統合する架け橋になる概念ではないかと考えています。
リハビリは園部が書いてますよ(^_^)

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五十肩の評価と運動療法

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体幹と骨盤の評価と運動療法


本著は、鈴木俊明とその教え子先生方の研究成果から得られた体幹・骨盤の詳細な評価や姿勢分析・動作分析に必要な知識についてまとめものです。監修を鈴木俊明先生に行って頂き、大沼俊博先生と園部俊晴(おまけ)が編集をさせて頂きました。
セラピストが運動療法を行う際に知るべきことを大変有意義な内容でまとめることができたと思います。
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林典雄先生の運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 下肢編


林典雄先生は、「組織学的推論」の王様です。機能解剖の知識と、病態を解釈する力においては、林典雄先生は最高の力を有しています。
本書を読み終わった後に、
「運動器疾患っておもしろい!」
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