動作分析で陥りやすい過ち 後編

先週の「母の日」は、家の前に花屋さんがあり、娘と一緒にカーネーションを買ってきました。
園部家は、麻衣子さんが太陽なので、家族全員が母の日を祝いたい!
という気持ちに溢れているんです。
母の日は、夕飯にみんなでカレーをつくるのが、園部家の慣例となってます。
毎年毎年、子供達が手伝うのが上手になってきて、成長を感じる日でもあります。
さて今回も、動作分析あるあるをご紹介いたします。
前回は、異常を見つけるような動作分析をしている人が陥りやすい負のスパイラルについてお伝えしました。
そして、それを解決する動作分析の大切な視点について述べました。
今回は、動作分析で陥りやすい2つ目の過ちから歩行周期の捉え方について述べたいと思います。
こうした視点で動作を捉えると、多くの気づきが得られるようになりますよ(^-^)
是非参考にしてください。
あるあるその2
動作の局面を捉えるだけの分析
臨床では「デュシェンヌ歩行」「トレンデレンブルグ徴候」「ヒップハイカー」「スラスト」などのいわゆる異常歩行によく遭遇します。
この異常歩行は、歩行周期の中で瞬間的に起こった姿勢変化や動作特性を表しているだけです。
しかし、我々はこの瞬間的に起こった姿勢変化や動作特性にどうしても目がいってしまい、そこだけを捉えようとしてしまいます。
でも私は、この動作の局面を捉えるだけではやはり、全く足りないと考えています。
臨床でよく遭遇する「スラスト」を例にして解説をしてみましょう。
スラストは一般的に踵接地後に急激に膝が内反する現象と言われていますが、よく観察すると「立脚初期」から出現するものと「立脚中期後半」から出現するものがあります。
同じスラストという現象でも、立脚初期と中期後半とでは障害に関連する力学的負荷が異なりますので、治療の展開も変わってきます。
※イラストは「入谷誠の理学療法」より引用
このように臨床においては、障害に関連する力学的負荷が歩行のどの時期に起こっているのかを捉えることが必要になります。
私の考えですが、こうした障害に関連する力学的負荷の大半は、立脚前半相の荷重応答期(LR)と、立脚後半相の立脚終期(TSt)に生じていると考えています。
※イラストは「入谷誠の理学療法」より引用
そのため、障害局所に影響を与える力学的負荷が、荷重応答期(LR)と立脚終期(TSt)の、どちらに生じているのかを観察することが重要であると考えています。
前回同様、ここでも動作分析あるあるを知ることで、動作分析の大切な視点を理解することができたと思います(^-^)
いかがでしたか。
前回と今回の視点をもって、明日から動作分析を再び行ってみてください。
まずは「痛い組織」を見つけて、そして「その組織に加わる力学的負荷は何か?」といった視点を持って動作分析をしてください。
そして、「その力学的負荷が歩行のどの時期に起こっているのか」を捉えようとしてみてくささい。
そうするとたくさんの仮説が生まれてくると思います。
最初はその仮説を検証していくという作業にとても時間がかかります。
でも、それは成長に必要なことなんです。
焦らずに、1つずつ仮説を検証していってください。
そして、仮説と検証の作業を行うと決めたあなたに、私からそのポイントをお伝えしたいと思います。
それが力学的推論をするためのプロセスについてです。
次回、そのプロセスの第1段階ともいうべき内容、「非荷重位評価」についてご紹介いたします。
楽しみに待っていてください(^-^)
前回と今回のブログを読んで「動作分析をもっと詳しく学びたい」と感じたら、4年の歳月をかけて完成した新刊「入谷誠の理学療法」を是非ご覧ください。
ここに動作分析の全てがつまっています。
https://www.youtube.com/watch?v=sH2gHO96xqI
今回も最後までご覧いただきありがとうございました
推薦セミナー
【勝木秀治先生】腱板断裂に対する理学療法 疼痛と可動域制限の解釈とその対応
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◆開催日:2025年9月6日(土)18:30-20:30
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変形性膝関節症を中心に,膝の痛みの理学療法を解説します。
特に膝関節の痛みを改善するためには膝関節の伸展制限を治療することが大事です.膝関節伸展制限に対する理学療法を行う上でのPOINTを整理します。
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【中村尚人先生】中村尚人先生の考えるセラピストのための効かせるピラティス
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ピラティスの原則にはエロンゲーション、アライメント、コア、センタリングなどがあります。
なぜこの機能が重要なのかを解説し、機能障害や疾患との関連性を理解していただきます。
ホモサピエンスとしての人類学的な視点を持って障害をとらえると見えてくることがあります。
また、セラピストとして、自分自身の身体感覚が治療に与える影響や、患者への説得力という点も指摘をし、自ら動けることで臨床がどう変わるかも示唆を与えたいと思います。
臨床で使えるピラティスの基本的なエクササイズをいくつか紹介し、明日から使える手札も習得してもらいたいと思っています。
特に私が主催しているフォームローラーを用いたピラティスの臨床応用方法をお伝えします。
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【永井聡先生】外来整形外科で多い股関節障害に対する評価と運動療法~影響発生源をどのように特定して治療するか?隣接関節からの影響編~
◆講 師:永井聡先生
◆開催日:2025年9月20日(土)19:00 – 20:30
概要
整形クリニックに来院する股関節疾患の患者の多くは、変形性股関節症やFAIによる症状がメインになります。
その症例の股関節痛や跛行の原因は、隣接関節からの影響も多く、身体全体を診て評価する事が重要です。
股関節周囲の触診技術、股関節解剖・運動学の知識と技術を習得はもちろん、歩行分析・動作分析から愁訴の改善のための原因を探求します。
整形外科疾患の疼痛や愁訴の改善には、単関節のみのアプローチでは改善できない事も多く、今回股関節からの介入を通じて隣接関節との関連を分析考察していく過程を学んでいきます。
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【松田現先生】臨床に多い肩関節痛に対するPNFの臨床応用~拘縮・夜間通・インピンジメントに着目して~
◆講 師:松田現先生
◆開催日:2025年9月27日(土)18:00 – 21:00
概要
人間の身体では中枢神経疾患でも、運動器疾患でも共通して短縮しやすい筋や働きにくくなる筋があります。目に見える部分の動きの感覚は鋭敏で、目の届かない部分の動きに対して鈍麻しやすいのも変わりません。
また、足底から下肢、骨盤帯、体幹を経由して上肢帯の動きがあるということを踏まえると全身の動きやアライメントを適切に評価できることが私達には求められます。
このセミナーでは単に肩関節に対してどのようなパターンを用いるのかというような方法論だけではなく、根本的に人間の身体というものを「感覚」という視点からどう捉えるのか、その感覚を変化させて症状を緩和の方向へ導くための道筋を紹介させていただきます。
どの肢位で行うのか、それは何故か。
PNFパターンを用いるのか、マット動作を用いるのか、歩行介入の中から行うのか、それは何故か。
どのPNFテクニックを組み合わせるのか、それは何故か。
どの症例にもそれぞれの病歴、病態、その人特有の身体的・感覚的特徴があります。それを踏まえて何を選択するのか、私達には大きな責任が伴います。
自身を持って肩関節疾患に対して対峙できるように、当日は様々な方法を提示させていただきます。
よろしくお願いいたします。
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【工藤慎太郎先生】1単位で診る!外来痛みシリーズ 運動器疾患の痛みの「なぜ?」がわかる~足関節 座学編~
◆講 師:工藤慎太郎先生
◆開催日:2025年10月04日 (土) 18:30 – 20:30
概要
関節の伸展制限で特に問題になる,半膜様筋の構造、腓腹筋内側頭と周辺構造の位置関係を詳細に理解して,その周囲の疎性結合組織に対する治療の重要性を理解してもらいます。
また伸展制限により悪化する関節周囲構造の機能的破綻とそれらに対する運動量を解説します。
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【小泉圭介先生】小泉先生が考えるコンディショニングトレーニング 下肢・体幹編
◆講 師:小泉圭介先生
◆開催日:2025年10月13日 (月・祝) 10:00 – 13:00
概要
概要
体幹の安定性という定義はスポーツ競技によって異なります。それぞれの動作によって求められる機能が異なるため、何が必要とされているかを見極める能力が求められます。いわゆる体幹の剛体としての固定力が必要なのか、それとも骨盤帯の回旋安定性が必要なのか、はたまた下肢と体幹の連動が必要なのかという点を整理して考えることが重要です。そして、どうやってNeutral zoneでの脊椎アライメントコントロールを学習し定着させるかがポイントになります。
今回の講習では、私が日頃行っているコンディショニングトレーニング小泉メソッドから、骨盤コントロールの評価とエクササイズのデモンストレーションをご紹介できればと思っています。
セミナー内容
・下肢と体幹の運動学を簡単に復習し、一般的に求められる機能と競技スポーツで求められるレベルの機能について再確認いただきます。
・競技者のコンディショニングで実施しているトレーニングについて、特に骨盤安定性の評価と下肢体幹連動エクササイズを例にご説明します。
・実際に小泉がどのようにエクササイズを行うか、デモンストレーションを通じてご紹介します。
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【吉尾雅春先生】股関節前面痛のインピンジメントを解剖学・神経学的視点から考察する~原因の特定とクリニカルリーズニングの重要性
◆講 師:吉尾雅春先生
◆開催日:2025年10月19日 (日) 9:00 – 12:00
概要
発症後数か月経過した脳卒中者のうち2割程度が股関節前面に痛みを持つ。しかし、その痛みがなぜ起きるのかという議論はあまりなされていない。必然的に当該部位へのアプローチは曖昧で、仕上げはなぜか「他動的なROM ex.」である。受傷後1年以内の脊髄損傷者では股関節前面に異所性骨化が散見され、手術適応になる。両者に共通していることは中枢神経障害に伴う運動麻痺である。改めて股関節の解剖学的特徴と股関節屈曲運動の構成を理解することが必要である。すると、運動麻痺者に限らず、脊柱をはじめとする体幹に問題を持つ人や健常者においてさえも股関節前面にインピンジメントを惹起する可能性が高いことに気づくことができる。
股関節の構造によるもの、疾病特有の運動障害に伴うもの、活動性の変化に影響を受ける時期的なもの、生活歴に関連するものなど、視野を広げて検討しなければならないが、本セミナーでは以下のことについて触れながら考えてみたい。
・脳卒中者や脊髄損傷者にみられる股関節前面の病態
・股関節および周辺の基本的な構造
・股関節屈曲運動の構成と問題
・股関節前面のインピンジメントの可視化
・運動障害に伴う股関節前面のインピンジメント
・生活歴と股関節前面のインピンジメント
・その他
応募はこちらから
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【松本正知先生】松本先生はこう考える!! 四辺形間隙(QLS)症候群、肩甲上神経絞扼障害、胸郭出口症候群に対する評価と運動療法
◆講 師:松本正知先生
◆開催日:2025年10月25日 (土) 17:30 – 20:30
概要
到達目標
① 四辺形間隙(QLS)、肩甲上神経周辺の肩甲骨、胸郭出口の解剖学的な特徴を理解する
② QLS症候群、肩甲上神経絞扼障害・症候群(SNES)、胸郭出口症候群(TOS)の概要を理解する
③ 上記3疾患に対する評価を理解する
④ 上記3疾患に対する運動療法の考え方を理解する
⑤ ①~④の理解を通し、セラピストが患者さんへ提供できる運動療法を再考する
QLS症候群、SNES、TOSは腕神経叢のそれぞれに関わる神経の絞扼性神経障害であり、共通の症状として肩の外側から後方の痛みや放散痛、筋力低下に伴う挙上動作の困難、感覚障害などが上げられます。これらの疾患に対する基本的な運動療法の考え方は、同じと思います。末梢神経へのアプローチだけでなく、その周辺のfascia、肩甲上腕関節や肩甲骨の機能の回復、全身的な(特に股関節より近位)柔軟性や筋力を改善する必要があります。ただそれだけでは、不足していると考えます。
本講義では、①~④を到達目標とし、⑤でその不足していると思われる運動療法を考えたいと思います。
応募はこちらから
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https://pro.ugoitalab.com/products/20251025z/
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※新型コロナウイルスの影響により、現在会場セミナーは中止しております。
Zoomセミナーは詳細が決まり次第、掲載していきます。
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