動作特性から骨癒合を考える
今年のお盆は皆さんはどう過ごされましたか?
私は、アームストロング中山と登山に行ったんですが、上高地は最高にきれいでした。
人生は素晴らしいですね。(^_^)
さて、皆さんの患者さんの中でも
“なかなか骨癒合が得られない症例”っていませんか。
また骨癒合したと思ったら再骨折してしまう症例、
これもいますよね。
骨癒合が得られにくい症例というのは
“いろいろな理由”があると思います。
もちろん個人の特性と言う場合もあるでしょうし、
栄養の問題もあるでしょうし、
様々な要因があるのが事実です。
しかし私は臨床経験28年の中で、
骨癒合が得られない症例の特徴として
“力学の要因も”影響があると思っています。
一つ症例を挙げましょう。
サッカー選手でジョーンズ骨折はよく見受けられます。
多くの場合、スクリューを入れる手術をして、
通常は12週でスポーツ復帰をします。
しかし相当数の時間を要しても骨癒合が
悪い例は決して少なくありません(遷延治癒)。
なぜこの例のように骨癒合が得られない症例がいるのでしょうか。
その理由の1つが症例の動作特性にあると私は考えています。
つまり、このような症例では、ただ歩いたり、動いたりするだけで
常に第5中足骨に弯曲力が加わっていることが多いのです。
骨折後に骨癒合が悪い例では、
こうしたことは実は多いと私は感じています。
だから骨癒合が得られない症例の特徴として
“力学の要因も”影響があると思っているんです。
先ほどの例もそうですが、
外傷後・手術後に生じる異常なメカニカルストレスは、
外傷後・手術後に生じるようになったわけでは無いのです。
もともとこうした動き方をしているのです。
怪我をする前の正常な状態では、特に問題になりません。
ですが、一旦このメカニカルストレスに関わる組織が損傷すると、
「そこにストレスがかかり続けるので治りが悪い」といったことが臨床上よくあるんです。
こうした視点を持つと、骨折後の骨癒合に対する考え方が少し変わってきませんか?
骨癒合の悪い症例というのは結構多く存在しています。
しかし、この視点があれば、
「なぜ骨癒合が得られないんだろう?」という疑問に対し、
「個人の特性だからしょうがない」とかたづけて納得するのではなく、
力学の要因もあるかもというように、
もっと臨床を追求するようになります。
これが大事なんだと私は思っています(^-^)
実際に私の経験では骨癒合の悪い例は、
やはりそこにメカニカルストレスが加わっていることが
臨床上とても多いと感じています。
もちろん力学とは無関係な症例もいます。
これは私が動作分析を得意とする臨床家だから
言えることだとも思っています。
思い込みをすて、
骨癒合の悪い症例を診る機会があれば、
この視点を含め、多角的に評価してみてください。
新しい発見があるかもしれません(^-^)
推薦セミナー
LIVEセミナー/ZOOM【齊藤正佳先生】1単位で診れる!!鼡径部痛を末梢神経から考える
◆講 師:齊藤正佳先生
◆開催日:2024年9月7日(土) 18:00~21:00
概要
運動器疾患に関わるセラピストに求められることの一つに、痛みを取り除くことが挙げられます。
鼡径部の痛みも同様ですが、鼡径部の痛みは腰痛や股関節周囲の痛みと関連しあい、広範囲に渡ることがあります。これらの痛みを取り除くためには身体所見と画像所見とから病態を探ることが求められるものの、画像からは病態が得られないこともあり、困ることが多いのも事実です。
しかし、(末梢)神経により引き起こされた痛みと考えれば、腰痛や股関節周囲に幅広く出現していると理解できます。そのため、身体所見では、圧痛だけでなく伸長テストや筋出力などから病態を把握することが極めて重要となってきます。
本セミナーでは、末梢神経障害由来の鼡径部痛について、身体所見の取り方や運動療法の進め方を、症例を交えて紹介します。
【セミナー内容】
●前半
・鼡径部、股関節の機能解剖
・鼡径部、股関節を走行する(末梢)神経
●後半
・機能解剖を基にした評価、運動療法
・症例紹介
【到達目標】
・(末梢)神経障害による鼡径部痛を理解する
・圧痛が認められる理由を理解する
・末梢神経障害に伴う身体所見を知る
・運動療法の進め方を知る
【参考資料】
・お手持ちの解剖学書
・坂 雅之:臨床の疑問に答える軟部組織の障害と理学m療法〜解剖と病態の理解に基づく評価と治療. 羊土社, 2023
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LIVEセミナー/ZOOM【山本伸一先生】脳卒中患者の上肢・体幹機能へのアプローチ〜臨床に多い上肢の痛みと動きを体幹との関連から考える〜
◆講 師:山本伸一先生
◆開催日:2024年9月21日(土) 18:00~21:00
概要
上肢・手の機能アプローチは個別性であることから、それぞれ悩むことが多いと思います。しかし、一方では共通要素もあり、その原則・指針を理解することで介入のバリエーションにつながることになります。
今回の研修会では、これら含めた脳卒中の障害像の基礎理解とともに上肢・手の機能の問題点と介入について整理します。そのうえで脳卒中における肩の痛みの機序から種類等をご説明いたします。それぞれの臨床に活かせていただければと思います。
初めての方でも全くだいじょうぶです。わかりやすく説明いたします。また、これまでに参加された方でもOKです。宜しくお願いいたします。
翌日には実技セミナーを開催します。合わせて受講すれば理解が深まります。
【山本伸一先生】脳卒中患者の上肢・体幹機能へのアプローチ〜臨床に多い上肢の痛みと動きを体幹との関連から考える〜(実技セミナー)
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LIVEセミナー/ZOOM【中村尚人先生】側弯症の保存療法について〜SOSORTのガイドラインと日本の現状〜
◆講 師:中村尚人先生
◆開催日:2024年9月29日(日) 9:00~12:00
概要
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LIVEセミナー/ZOOM【祝広孝先生】MCP(触察技術を用いた筋コンディショニング)の理論と効果
◆講 師:祝広孝先生
◆開催日:2024年10月5日(土) 19:00~22:00
概要
【講演内容】
・MCPの理論と効果について
・骨格筋に視点をおいた姿勢変化や関節機能異常の捉え方
【到達目標】
・MCPの理論を理解する
・骨格筋に視点をおいた姿勢変化や関節機能異常の診方を理解する
【参考資料】
骨格筋の形と触察法(大峰閣)http://daihokaku.com/index.html
【MCPとは】
MCPはリハビリテーションの現場だけでなく、スポーツ選手のコンディショニングの現場などで対象者の持つ潜在的な筋の伸長性や収縮パフォーマンスを即時に引き出す事ができるテクニックです。
MCPは様々な手技の不思議を解剖学を軸に考察する中で生まれた理論を土台としています。故に理論上の限界はありますが、逆に理論の範疇であれば、誰でもどの筋に対しても同じ効果が得られ、その再現性は他に類をみません。
MCPでは正確な解剖学的情報と体表解剖学の技術(触察)により、個別の筋に対して選択的にアプローチが可能です。症状と原因筋の関係がより明確となる事により、以降の対象者の症状に対する臨床推論の精度も向上します。
MCPは単独でも使えるテクニックですが、その理論は人の身体を触れるテクニックの基礎となる理論と言え、皆さんの現在用いている各種テクニックに組み込む事で、そのテクニック自体のスキルも向上させてくれるはずです。
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LIVEセミナー/ZOOM【中宿伸哉先生】足部障害における理学療法の実際
◆講 師:中宿伸哉先生
◆開催日:2024年10月12日(土) 18:00~19:30
概要
足部障害を考える上で切り離せないのが、アーチの構造です。内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3軸で構成されるアーチは、歩行時の推進力に影響するだけでなく、床面からの衝撃を適度に吸収することで、下肢の関節への応力集中を防止します。
アーチの構成は、各足根骨によって形成されます。そのため、各々の骨がどのように動くのかを理解することが必要です。筋や靭帯の緊張によって能動的に動く骨もあれば、隣接の骨から受動的に動く骨もあります。隣接した骨がお互いにバランスよく連動して動くことが求められますが、これらが破綻した時に、どの部分が補うのかで障害の程度が異なります。筋機能によって補うのであれば、筋由来の疼痛が出現する可能性があり、靭帯や関節にストレスが加われば、これらが疼痛の原因になりえます。
足部障害には、足底挿板によるアライメント補正が有効です。一方で、膝関節や股関節のマルアライメントにより、足部への重心移動が変化することによってもアーチ構造に影響します。どちらが効果として有効であるかは、それぞれが相互作用として影響するため、一概に述べることはできません。現に、足底挿板によって膝、股関節のアライメントも補正され、これら周囲の筋力が改善することも珍しくありません。股関節や膝関節の筋力低下が足部障害に影響しているからといって、各々に単発的なトレーニングを安易に行うべきではないと考えます。臨床的には、よいアライメントの中で、いかに筋の発揮能力を高める複合的なトレーニングを行えるかが重要です。理学療法士の役割は、それに影響するであろう足部の疼痛や拘縮改善を適切に行うことです。
本講義では、足部機能の理解と、徒手的治療、足底挿板療法を中心に提示致します。
【セミナー内容】
・足部の機能解剖
・足部アーチの構造と機能
・足部障害の基本的評価
・各足部疾患の病態と治療
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https://seminar.ugoitalab.com/event/20241012z/
LIVEセミナー/ZOOM【岡本光司先生】もう悩まない!坐骨神経由来の複雑な痛みを紐解く〜大腰筋の深層を科学する〜
◆講 師:岡本光司先生
◆開催日:2024年10月26日(土) 18:00~19:30
概要
「いわゆる坐骨神経痛」といえば、梨状筋よりも末梢の病態—そう考える人が多いのではないでしょうか。しかし、梨状筋より末梢の組織に対して理学療法を行ってみても、一時的に改善を認めるも症状が再発する症例を多く経験してきました。
それでは「なぜ、痛みが元に戻るのか?」「何か大切なことを見逃しているのではないか?」この原因を探るため、筋力評価を軸とした理学的所見をとってみると、L5、S1神経根障害を示唆する所見をしばしば認めました。
今回、L5、S1神経根障害の捉え方およびそのアプローチ(大腰筋や多裂筋)をご紹介します。
リハビリ現場での23年間、「いわゆる坐骨神経痛」を診てきた立場で、紆余曲折の末に導き出され辿り着いた、48才シニアPT「オレみたいになるな!失敗から学ぶ【坐骨神経痛の真実】」必見の内容です。
【この講演でマスターして欲しいポイントは・・・】
ズバリ、「理学的所見の本質を理解する」です。理学的所見は病態を教えてくれます。「いわゆる坐骨神経痛」の病態を炙り出すと、やるべき理学療法がおのずと選択されるのです。あなたの理学療法の内容が180°激変します。
応募はこちらから
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https://seminar.ugoitalab.com/event/20241026z/
その他の園部企画の講演・セミナー
※新型コロナウイルスの影響により、現在会場セミナーは中止しております。
Zoomセミナーは詳細が決まり次第、掲載していきます。
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